演題

80歳以上超高齢者食道癌患者の治療成績の検討

[演者] 高屋 快:1,2
[著者] 陳 正浩:1, 萩原 資久:1, 亀井 尚:2, 橋爪 英二:1
1:日本海総合病院 外科, 2:東北大学大学院 先進外科学

【はじめに】平均寿命の延長に伴い80歳以上の超高齢者の食道癌患者も多くみられるようになったが,80歳以上の超高齢者食道癌に対する治療戦略は患者の個人差が大きいことがあり,症例に対して個々に対応している状態である.今回当科における超高齢者食道癌治療の現状を検討した.【対象】2009年1月から2016年12月までの間に当科にて治療を行った80歳以上の遠隔転移のない食道癌患者30例を対象として後方視的に検討を行った.【結果】全症例の平均年齢は82.1±2.1歳,男性:女性=26:4であった.手術治療が17例,根治的CRTが10例,RT単独が3例に施行された.手術症例の平均年齢は81.0±1.33歳,男性:女性=13:4,主病変占拠部位Ce/Ut/Mt/Lt/Ae=0/0/8/9/0,臨床病期Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ/Ⅳa=3/9/5/0,PSは全例0,胸腔鏡下胸部食道亜全摘が16例,下咽頭喉頭胸部食道全摘が1例に施行された.術後左反回神経麻痺を6例,両側反回神経麻痺を1例,乳び胸を3例,縫合不全を2例に認めた.手術関連死亡は認めなかったが在院死を1例認めた.一方CRTおよびRT症例の平均年齢は83.0±2.7歳,全例が男性であり,病変占拠部位Ce/Ut/Mt/Lt/Ae=2/1/7/1/2例,臨床病期Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ/Ⅳa/Ⅳb=7/2/3/1/0,PS 0/1/2/3=9/3/1/0であった.病巣部位に応じて50.4-66Gy照射を予定し,全例において照射を完遂した.CRTおよびRT症例の一次効果はCR/PR/SD/PD=9/4/0/0であった.遺残を認めた1例に対してsalvage手術を施行した.治療関連死亡を1例認めた.【考察】80歳以上の超高齢者の場合,厳密な手術適応の決定により耐術能に問題がなければ手術加療の選択肢を十分考慮に入れるべきと考えられる.その一方で合併症が多いのが超高齢者の特徴であり,その場合低侵襲なRT単独治療も選択肢に挙げられてくるがRT単独治療においてもある程度の副作用の出現は避けられず,それに対する忍容性の有無を治療前に評価することが必要であると考えられる.
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