演題

75歳以上の高齢者に対する胸部食道癌切除術の検討

[演者] 森 秀暁:1
[著者] 柿下 大一:1, 久保 孝文:1, 秋山 一郎:1, 瀬下 賢:1, 國末 浩範:1, 藤原 拓造:1, 臼井 由行:1, 太田 徹哉:1
1:岡山医療センター 外科

【目的】高齢者は一般的に周術期リスクが高いとされている.胸部食道癌に対する食道切除術は消化器外科領域における代表的な高侵襲手術である.当科における75歳以上の高齢者に対する食道切除術を検討した.
【方法】2004年1月~2015年12月までに当科で行われた胸部食道癌に対する食道切除術78例を対象とし,手術時年齢が75歳以上(A群)22例と75歳未満(B群)56例に分けretrospectiveに比較検討した.
【結果】背景因子として胸部もしくは腹部手術既往のある患者はA群中に4例(胃切除術/腹部大動脈瘤人工血管置換術/胆嚢摘出および総胆管切開切石術/右肺上葉切除術),B群中に5例(胃切除術3例/結腸右半切除術/胸部大動脈瘤人工血管置換術)認めた.COPDを有する患者はA群中に6例,B群中に5例を認めた.術式は原則として右開胸・開腹・頸部アプローチによる食道亜全摘・胸骨後経路頸部食道胃管吻合術・腸瘻造設術を施行したが,A群で2例,B群で4例は左開胸・開腹による食道切除・胸腔内吻合を施行した.手術時間や出血量については両群間に有意差を認めなかった(430±114分/410±152分,554±510ml/498±374ml).在院死はA群に1例,B群に2例認めた.縫合不全(2例/5例),反回神経麻痺(1例/4例),誤嚥性肺炎(3例/7例),その他合併症については両群間に有意差は認められなかった.術後在院日数はA群において有意に長かった(55.7±22.5日/43.5±27.8日).
【結語】75歳以上の高齢者に対する食道切除術は術後合併症/在院死亡について75歳未満の患者と比較して有意差は認められないものの,術後在院日数は有意差をもって延長していることから若年者以上に慎重な術後管理を要する.
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