演題

Body Mass IndexがGERDに対する腹腔鏡下噴門形成術の治療成績に及ぼす影響

[演者] 小村 伸朗:1
[著者] 矢野 文章:2, 坪井 一人:2, 星野 真人:2, 山本 世怜:2, 秋元 俊亮:2, 増田 隆洋:2, 三森 教雄:2, 柏木 秀幸:2, 矢永 勝彦:2
1:西埼玉中央病院 外科, 2:東京慈恵会医科大学附属病院 消化管外科

【背景と目的】肥満はGERD発症の重要な危険因子の一つである.またGERDに対する腹腔鏡下噴門形成術において,肥満症例では手術時間の延長や出血量が増加することがこれまでに報告されているが,再発率に関する詳細な検討は少ない.そこで今回,プロペンシティスコア法を用いて,患者背景を極力一致させたうえで,Body Mass Index (BMI)がGERDに対する腹腔鏡下噴門形成術の治療成績に及ぼす影響を検討した.
【対象と方法】1994年12月から2016年8月までにGERDに対して手術を施行した529例から,開腹手術,GERDに対する再手術,Nissen法もしくはToupet法以外の術式を施行,BMI未記載例を除くと419例であった.日本肥満学会ではBMI≧25 kg/m2を肥満と定義しているため,BMI<25 kg/m2とBMI≧25 kg/m2に分け,性,年齢,食道裂孔ヘルニアの有無と程度,逆流性食道炎の有無と程度についてプロペンシティスコア法を用いて患者背景をマッチングした結果,各群138例が抽出された.BMI<25 kg/m2(A群)とBMI≧25 kg/m2(B群)の手術成績と術後成績を比較検討した.統計学的検討はFisher's exact test, Mann- Whitney's U testで行い,データは中央値と四分位範囲で示した.P<0.05をもって有意差ありと判定した.
【結果】BMIはA群22.6(21.4-23.6)kg/m2,B群27.1(26.0-28.8) kg/m2であった.病悩期間は各々36(9-90)か月と25(11-60)か月で差はなかったが(p=0.849),pHモニタリング法による食道内酸逆流時間(pH<4時間)は各々4.2(0.8-12.7)%と7.7(2.6-21.4)%で,B群が有意に延長していた(p=0.006).手術術式(Nissen法とToupet法の選択割合),術中合併症発生,出血量に差はなかったが(各p=0.09,p=0.134,p=0.652),手術時間は各々135(112-171)分と155(125-195)分であり,B群で有意に延長していた(p=0.003).術後在院日数,術後合併症発生,術後観察期間について差はなかった(p=0.501,p=1.0,p=0.876).また術後再発率はA群15%(18人/120人),B群13%(16人/119人)であり,両群間に有意差は認められなかった(p=0.853).
【結語】GERD肥満症例では非肥満症例に比較して食道内酸逆流時間と手術時間が有意に延長していたものの,術後の再発率に差はなかった.
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