演題

睡眠障害を有する胃食道逆流症患者に対する外科治療効果

[演者] 星野 真人:1
[著者] 小村 伸朗:2, 矢野 文章:1, 坪井 一人:2, 山本 世怜:1, 秋元 俊亮:2, 増田 隆洋:2, 三森 教雄:1, 柏木 秀幸:2, 矢永 勝彦:2
1:東京慈恵会医科大学外科学講座消化管外科, 2:東京慈恵会医科大学外科学講座消化器外科

【背景と目的】近年,胃食道逆流症(GERD)と睡眠障害の関連性が指摘され,注目を浴びている.GERDに伴う睡眠障害に対し内科的治療の有効性を指摘する報告が散見されるが,外科的治療で検討した報告はこれまでに海外を含めてない.今回われわれは,睡眠障害を有するGERD患者に対する腹腔鏡下噴門形成術の治療効果について検討した.
【対象と方法】2016年1月から2016年9月までに当科において腹腔鏡下噴門形成術を施行した25例中,食道裂孔ヘルニアのみを理由に手術適応とした3例を除く22例(男性:17例,平均年齢:52.3±15.3歳)を対象とした.術式は全てToupet法であった.睡眠障害の評価はPittsburgh Sleep Quality Index (PSQI-J)を使用し,Doiらの報告に基づき5.5点をカットオフ値と設定,それ以上を睡眠障害と判定した.また胃食道逆流評価はSandhill社製のSleuthを用いMultichannel intraluminal impedance (MII)-pH測定にて行い,コンピュータによる自動解析を施行した.評価時期は全て術3ヵ月後とした.データは中央値と四分位範囲で表記し,Mann-Whitney検定,Chi-square検定とWilcoxon検定によってp < 0.05をもって統計学的有意差ありと定義した.
【結果】睡眠障害有群13例(59%)に対し睡眠障害無群9例であった.患者背景(年齢,性別,BMI)に有意差なく,病悩期間は有群で長い傾向認めた(72 vs. 20ヶ月,p=0.056).MII-pHの各種パラメータは両群で有意差を認めなかった.睡眠障害有群における術前後の比較では,術後の睡眠障害は3例(23%)に減少し,入眠時間,睡眠時間,睡眠効率,睡眠困難,総合点数の有意な改善が認められた(各p=0.020,0.019,0.003,0.008,0.003).さらに,MII-pHでは酸逆流時間,液体酸逆流回数,液体総逆流回数,気体酸逆流回数,総逆流回数の改善が認められた(各p=0.016,0.004,0.007,0.008,0.009).
【結語】GERDに起因する睡眠障害は,逆流を防止することで改善される可能性が示唆された.
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