演題

GERD/食道裂孔ヘルニア術後再発に対する腹腔鏡下再手術

[演者] 井谷 史嗣:1
[著者] 浅海 信也:2, 中野 敢友:1, 三宅 聡一郎:1, 三村 直毅:1, 小川 俊博:1, 藤田 俊彦:1, 久保田 哲史:1, 原野 雅生:1, 高倉 範尚:1
1:広島市立広島市民病院 外科, 2:福山市民病院 外科

GERD/食道裂孔ヘルニア術後再発に対する腹腔鏡下再手術は欧米を中心に施行され有効性が報告されているが,本邦における報告は少ない.われわれの手術症例を検討し,手術手技の工夫,ピットフォールと対策に関して報告する.1997年から2016年までに腹腔鏡下噴門形成術を施行した177例のうち再手術を施行した15例につき検討した.再手術の適応は手術適応を有するGERDの再発,有症状の食道裂孔ヘルニア再発とした.術前検査として内視鏡,上部消化管造影,CTを標準とし可能な症例には24時間pH(インピーダンス),食道内圧検査を施行した.女性8例,65.8±46歳,再手術までの期間は26.7±6.1か月(4日-60カ月)であった.初回手術における噴門形成はNissen:10,Toupet:4,前方:1で1例はNissen後Toupet施行後の再々発であった.再発の形態は滑脱ヘルニア再発11(急性:1),傍食道ヘルニア再発4(急性3)で滑脱ヘルニアの1例は胃排出能障害を伴っていた.14例に腹腔鏡下修復を施行した.噴門形成はそのままで裂孔縫縮とメッシュ補強を3例,裂孔縫縮に加え再噴門形成を10例(Nissen-Nissen:3,Nissen-Toupet:5,Toupet-Toupet:1,Toupet-側方:1)に施行,1例は陥頓した傍食道ヘルニアを可及的に修復した.追加手技としてメッシュ補強を4例,幽門形成を1例施行した.また陥頓による壊死に対して開腹胃部分切除を1例施行した.手術時間は226分で3例に開腹移行が必要だった.経口摂取は全例術翌日から可能で術後在院日数は6.5日であった.再手術後の再発は2例で1例に再々手術を施行,術中下大静脈損傷があり開腹移行となったが救命できた.11例は症状がほぼ軽快したが4例はPPI内服が必要な状況である.われわれが考案した内視鏡での噴門形成スコアでは(0-5:very poor-excellent)字再手術前後で1.6から4.2と有意に改善が見られた.またsymptom scoreは7.0から0.8,24h pHモニターでの酸逆流時間も35.4から5.1といずれも有意に改善した.以上より,手術操作には十分注意が必要ではあるが,噴門形成術後再発に対する腹腔鏡下再手術は安全かつ有用であると考えられる.
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