演題

化学療法が奏功した食道神経内分泌細胞癌と扁平上皮癌混合型腫瘍の1例

[演者] 杉山 太郎:1
[著者] 桜谷 卓司:1, 田中 善宏:1, 棚橋 利行:1, 松橋 壽久:1, 高橋 孝夫:1, 山口 和也:1, 長田 真二:1, 吉田 和弘:1
1:岐阜大学大学院 腫瘍外科学

【はじめに】食道神経内分泌腫瘍(NEC)は比較的稀な疾患であり,確立された標準治療はなく予後不良である.今回,NECとSCCの混合型腫瘍とその再発に対して化学療法と手術を行い,PET-CTにてCRを得られた1例を経験したので報告する.【症例】73歳男性.横行結腸癌の術後5年目のCTにて気管背側のリンパ節腫大を指摘され,経鼻内視鏡検査にて鼻孔から30cmの位置に15×10mm大を認めた.生検にて内分泌細胞癌と診断され,PET-CTでは気管背側のリンパ節にのみ集積を認め,治療目的で当院に紹介となった.【経過】肺小細胞癌に準じた白金製剤をベースにした併用療法を行うこととしイリノテカン(CPT-11)+シスプラチン(CDDP)の併用療法(IP療法)を選択した.腎機能障害のためシスプラチンの投与量は75%に減量した.IP療法を2コース行った段階での効果判定はPRinであり,胸腔鏡下食道亜全摘術,2領域リンパ節郭清,後縦隔経路での亜全胃再建,胃廔造設術を行い,術後経過は順調で術後25日目に退院となった.術後の病理診断はSCCとNECの混合型腫瘍で食道壁に残存する腫瘍細胞はSCCで,リンパ節転移部の腫瘍細胞はNECが示唆された.術後1カ月のPET-CTでNo106preリンパ節のみに集積を認めたため再度IP療法を1コース行った後,右開胸でのNo106preリンパ節の摘出を行った.再手術後の病理診断はNECの所見であった.再手術後1カ月のPET-CTでは集積を認めなかったが,4カ月のPET-CTでは多発リンパ節転移,肝転移,骨転移を認めた.初回術後の病理診断ではSCCとNECの混合型腫瘍であったためDGS療法を2コース行い,終了時点でのPET-CTではリンパ節や肝臓,骨への集積はなくCRと診断した.その後もDGS療法を継続している.【考察】化学療法と手術による集学的治療が有効である可能性があり,治療法について今後の検討が必要と考えられた.【結語】:化学療法が奏功した食道神経内分泌腫瘍と扁平上皮癌の混合腫瘍の1例について文献的考察を加えて報告した.
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