演題

切除不能食道原発悪性黒色腫に対してNivolumabが奏効した1例

[演者] 宇田 周司:1
[著者] 山本 壮一郎:1, 横山 大樹:1, 小池 卓也:1, 和泉 秀樹:1, 齋藤 雄紀:1, 向井 正哉:1, 野村 栄治:1, 小澤 壮治:2, 幕内 博康:1
1:東海大学付属八王子病院 外科, 2:東海大学付属病院 消化器外科

【緒言】NivolumabはT細胞の増殖,活性化により抗腫瘍効果示すがん免疫抑制薬で2014年に本邦で根治切除不能な悪性黒色腫に対して承認された.全悪性黒色腫の中で食道原発例は極めて稀であり,食道原発悪性黒色腫に対するNivolumab使用の報告はまだ少なく,今回奏功例を経験したので報告する.【症例】83歳男性.2016年3月,腹部大動脈瘤切迫破裂で当院救急搬送となり,緊急手術を施行した.その際に撮影された造影CT検査において下部食道腫瘍を指摘され,当科依頼となった.上部消化管内視鏡検査で門歯列30-45㎝にごく一部に黒色部分を伴う1型腫瘍を認めた.腫瘍からの生検でS-100,Melan-A陽性の類円形細胞を認め無色素性悪性黒色腫と診断された.造影CT検査でリンパ節転移,遠隔転移は指摘できなかったが,PET-CT検査で腫瘍以外の右副腎,右上腕骨,右腋窩リンパ節にFDG集積を認め,cT3N4M1の切除不能食道原発悪性黒色腫と診断した.皮膚悪性黒色腫に準じてNivolumab単剤療法を開始し,6月よりNivolumab160㎎を2週毎に投与行った.投与開始後,通過障害は徐々に改善し,4コース後の評価で主病巣は3cm大,遠隔転移巣も著明に縮小を認め,PRと判定した.現在,治療開始後約半年が経過し計11コースを施行したが重篤な有害事象は認めず,PR継続中のため治療継続中である.【考察】食道原発悪性黒色腫は全悪性黒色腫の0.1-0.5%を占め,治療法は確立されていないが,他臓器転移がなく切除可能例に対しては食道切除術が適応される場合が多い.切除不能例には,皮膚悪性黒色腫に準じた治療がなされ,DITC療法,DAC+TAM療法が標準治療とされているが奏効率は低く,極めて予後不良であるが,本症例は多臓器遠隔転移を伴う切除不能例であったが,Nivolumab単剤療法により約半年間PRが維持されている.食道原発悪性黒色腫に対してNivolumabを使用した報告は医中誌で検索しえた限り会議録で3例認めるのみで極めて少なく,本症例は貴重な症例であると考えられた.
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