演題

切除しえた食道原発悪性黒色腫3例の検討

[演者] 小川 杏平:1
[著者] 成宮 孝祐:1, 工藤 健司:1, 矢川 陽介:1, 前田 新介:1, 井上 雄志:1, 谷口 清章:1, 大木 岳志:1, 大杉 治司:1, 山本 雅一:1
1:東京女子医科大学病院 消化器外科

(はじめに)食道原発悪性黒色腫は頻度が稀な疾患であり,手術療法や補助化学療法など様々な治療が行われてきているが,確立した治療方法はなく予後は不良といわれている.また原因や発生母地となる疾患,メラノーシスとの関連など,明らかになっていないことが多い.今回我々は1年6か月の間に3例の手術症例を経験したので報告する.症例1.72歳女性 食道メラノーシスの診断にて4年間経過観察中の上部消化管内視鏡検査にて門歯よ22~25cm0-Ip+IIb, 30-36cm3/4周の黒色色素沈着と0-Ⅱa病変が指摘された.免疫組織学的染色で,HMB45,Melan A,S-100 protein陽性にて悪性黒色腫と診断.右開胸開腹食道亜全摘術施行.最終診断はSM3 (1000μm), INFα, 脈管侵襲はメラニン沈着のため評価困難 n(-), pStageⅠであった.症例2 72歳男性 検診の上部内視鏡検査にて食道メラノーシスおよび下部食道の白色隆起を指摘され紹介受診.生検ではc-kit陽性であり,GISTの診断のため,2か月の経過観察をおこなったところ白色隆起の肛門側に黒色の0-1s病変が出現.免染にてHMB45(+)となり食道原発悪性黒色腫の診断にて右開胸開腹食道亜全摘術施行.食道内に4病変認め,T1b(sm3),N1(#1,#3),M0 StagIIと診断.症例3.75歳男性 食物通過障害を自覚し上部内視鏡検査施行.門歯より33cmから43cmまでメラノーシスを認め,37cmから40cmにかけ0-Ip型,0-Isp型の癒合した形状でメラニンを伴う黒色の隆起と白色の隆起が混在した腫瘍であった.免染にてHMB45(+)となり食道原発悪性黒色腫の診断にて胸腔鏡下右開胸開腹食道亜全摘術施行.(考察)今回我々はメラノーシスを4年間経過観察し発見し得た症例と,鑑別診断のため2か月後の再検査にて多発病巣を確認し診断できた症例,そして観察時にすぐに悪性黒色腫の診断がついた3例を経験した.また,同じ食道内病変においても黒色色素沈着を伴わないものと伴う病変を観察できた症例を経験したので病理学的に若干の考察を加え報告する.
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