演題

食道扁平上皮癌切除症例における術前HbA1c値は予後に寄与するか?

[演者] 高地 良介:1
[著者] 鈴木 隆:1, 大久保 和範:1, 吉野 優:1, 長嶋 康雄:1, 名波 竜規:1, 大嶋 陽幸:1, 谷島 聡:1, 島田 英昭:1, 金子 弘真:1
1:東邦大学医療センター大森病院 消化器センター(外科)

【背景と目的】糖尿病は様々な部位のがんリスクを増加させることが報告されており,食道癌においては,健常人に比し糖尿病患者で1.3倍程度の相対リスクが指摘されている.我々は,術前HbA1c値と術後再発リスクについて,後方視的に解析検討した.【対象と方法】2009年10月から2016年9月において,他臓器癌の合併がない胸部食道扁平上皮癌143例について,術前HbA1c値と予後について解析した.
【結果】術前HbA1c値の中央値は5.4%(3.7-7.9%).予後と術前HbA1c値でROC曲線をもとにcutoff値5.2%と設定した場合,術前HbA1c値高値群(89例)と低値群(54例)でOverall survivalでは有意な差は認めなかった.PFSでは術前HbA1c低値群において有意(P ≤ 0.001)に再発する結果となった.
【考察】術前HbA1c値は,予後に関しては明らかなリスク因子とはなりえなかった.術前HbA1c低値群において再発リスクが高く,栄養学的因子の関与が示唆された.術後HbA1c値の推移と再発リスクについての解析検討などが今後の課題と思われた.
詳細検索