演題

食道癌周術期サイトカイン値と予後に関する検討

[演者] 前田 祐助:1
[著者] 竹内 裕也:1, 福田 和正:1, 須田 康一:1, 中村 理恵子:1, 和田 則仁:1, 川久保 博文:1, 宮庄 拓:2, 北川 雄光:1
1:慶應義塾大学医学部 一般・消化器外科, 2:酪農学園大学 獣医学群

【目的】食道癌の治療成績は集学的治療の発展により向上しているが,いずれの病期においても再発率は高い.これまで炎症性サイトカインの発現が, 癌の進展, 予後と深く関連することが知られている.今回,食道癌手術患者の周術期の血清IL-6値,IL-8値を測定し,予後との関連について検討した.
【対象と方法】2008年10月から2015年1月までに当科において,食道癌に対して右開胸食道切除術を施行した症例のうち本研究に同意した131例を対象とした.周術期の血清IL-6,IL-8値をELISA法で測定した.予後については,全生存期間(OS)と無再発生存期間(RFS)を指標としてサイトカイン値との関連を検討した.病期分類にはUICC-TNM分類第7版を使用した.
【結果】主占居部位はCe/Ut/Mt/Lt/Aeが2/11/70/36/12,病期はcStageI/II/III/IVが62/20/41/8例であった. 生存解析ではIL-6値,IL-8値において75%タイル値をカットオフとして高値群と低値群と定義し,OSとRFSを解析した.術前IL-6高値群は低値群と比較して有意にOSが短い結果であった(p<0.001).また5年RFS率においても術前IL-6高値群は低値群と比較して有意に低い結果となった(高値群45.4% vs 低値群 72.6%, p=0.001). 同様に,術前IL-8高値群は低値群と比較して有意にOSが短い結果となった(p=0.031).また5年RFS率において術前IL-8高値群は低値群と比較して有意に低い結果となった(高値群44.8% vs 低値群 72.4%, p=0.010). cStageを共変量とした多変量解析において術前IL-6値は独立したOS,RFSの予後不良因子となった.
【結論】食道癌手術患者において術前IL-6,IL-8高値群は低値群と比較して有意にOSとRFSが短い結果となった. 多変量解析においても術前IL-6値は独立した予後規定因子であり,有用な可能性が示唆された.
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