演題

食道癌術前DCF療法の効果予測としての末梢血中免疫担当細胞の解析

[演者] 武岡 奉均:1
[著者] 和田 尚:2, 宮崎 安弘:1, 牧野 知紀:1, 高橋 剛:1, 黒川 幸典:1, 山崎 誠:1, 瀧口 修司:1, 森 正樹:1, 土岐 祐一郎:1
1:大阪大学大学院 消化器外科学Ⅱ, 2:大阪大学大学院 臨床腫瘍免疫学

<背景・目的>進行食道癌に対する術前補助化学療法としてDTX+CDDP+5-FU(DCF療法)が行われている.当科では以前より,術前化学療法の不応因子・予後不良因子として,腫瘍微小環境下で免疫抑制活性をもつ単球系細胞の一つである腫瘍浸潤マクロファージを報告した.今回,新たな治療効果予測因子の同定を目的に,術前DCF療法中の末梢血において,種々の免疫担当細胞の比率及び数の測定し,新たな治療効果予測因子の同定を試みた.
<対象・方法>当科において術前DCF療法後根治術を施行した食道癌44例を対象とした.一般血液検査を用いて好中球,リンパ球,単球の変化を解析し,組織学的効果との相関を検討した.治療効果は組織学的効果判定(食道癌取扱い規約第11版)を用いた.さらに,術前DCF療法を実施した食道癌20例を対象に1コース前と直後,2コース前と直後,手術前,退院時に末梢血を採取した.末梢血中の骨髄系細胞,CD15+CD14-顆粒球,CD15-CD14+単球をフローサイトメトリーにて解析し,治療効果との関連を検討した.治療効果は組織学的効果判定(根治切除例)とRECIST(非切除例)を用いた.
<結果・考察>食道癌44例の組織学的効果はGrade0,1が25例,Grade2,3が19例であった.単球の投与前値と最低値を比較した減少率の中央値はGrade0,1群が91.8%,Grade2,3群が94.8%であり,減少率が大きいほど組織学的に有効な傾向にあった(p=0.047).リンパ球の減少率はGrade0,1群が61.8%,Grade2,3群が55.2%であり,減少率が小さいほど組織学的に有効な傾向にあった(p=0.05).経時的に末梢血を採取した食道癌20例(治療効果なし7例,あり13例)の検討では,1コース直後における単球の解析により,単球の骨髄系細胞中の割合が治療効果なし群で22.1%,あり群で5.6%(p=0.068),単球の細胞数は治療効果なし群で191.1/μl,あり群で33.5/μlであった.骨髄系細胞中の単球の割合が低く,細胞数が少ないほど治療効果を認める傾向にあった.減少率や顆粒球については治療効果と相関がなかった.
<結語>末梢血中の免疫担当細胞が,術前DCF療法の効果予測因子となりうる可能性が示唆された.
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