演題

食道癌術後再発に対する治療

[演者] 久倉 勝治:1
[著者] 寺島 秀夫:1, 小川 光一:1, 田村 孝史:1, 釼持 明:1, 木村 聡大:1, 大原 佑介:1, 明石 義正:1, 榎本 剛史:1, 大河内 信弘:1
1:筑波大学附属病院 消化器外科

【緒言】
進行食道癌の集学的治療において,術後再発に対する治療戦略は重要な課題の1つである.当科では,再発巣が小範囲にとどまる場合には可能な限り局所治療を施してきた.それら食道癌術後再発症例の検討に基づき,提言を行う.
【対象】
2006年1月から2016年12月まで当科において,サルベージを除いた食道癌根治手術203例のうち,再発をきたした73例(40.0%)を対象とした.背景因子は,年齢:67(IQR:43-80)歳,男女比:62/11,術前治療:なし 39例・NAC 20例・NACRT14例,主占拠部位:Ce/Ut/Mt/Lt/Ae= 3/8/33/18/11例,組織型:扁平上皮癌/他=62/11であった.さらに,初発再発部位が局所である34例を局所群として,遠隔再発がある39例を遠隔群として,比較検討した.なお,局所/遠隔同時再発症例は,遠隔群に分類した.
【結果】
再発例の手術から再発までの期間は223(IQR:24-1464)日で,1年以内の再発が49例(67.1%),3年以内の再発が71例(97.3%)であった.局所/遠隔群の比較検討において,pT因子/pN因子/リンパ節転移個数/pStage/術後追加治療に明らかな有意差を認めなかった.各群の再発までの期間は局所群で266(IQR:36-1070)日,遠隔群で215(IQR:24-1464)日で有意差は認めなかった(p=0.662).再発後治療として,局所群ではCRT(FP療法+60Gy)17例,手術3例,放射線単独1例,化療単独6例であり,遠隔群ではCRT 10例,手術4例,化療単独13例,放射線単独3例であった.再発の局在としては, 局所群ではNo.16が11例,109・111・112aoが10例,104が7例,106recが4例であった.遠隔群では肺が12例,肝10例,骨10例であった.局所群では再発後の3年生存35.5%,5年生存24.3%,遠隔群では3年生存21.9%と,有意差はないものの遠隔群の予後が不良な傾向があった(p=0.107).
【結語】
局所を初発部位とする術後再発においては,必ずしも「再発=全身病」ではなく,強力な局所療法(CRT or 手術)によって生存期間を延長できる可能性が示唆された.
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