演題

食道癌再発患者予後予測における免疫・栄養関連因子の重要性

[演者] 中谷 充宏:1
[著者] 松本 壮平:1, 若月 幸平:1, 右田 和寛:1, 伊藤 眞廣:1, 中出 裕士:1, 國重 智裕:1, 北野 睦子:1, 庄 雅之:1
1:奈良県立医科大学附属病院 消化器・小児外科・乳腺外科

【背景】予後栄養指数(PNI)や好中球リンパ球比(NLR),modified Glasgow Prognostic Score(mGPS)は腫瘍の炎症に関連するとされ,食道癌を含めた様々な癌種の予後予測因子として使用されている.一方で,食道癌再発症例での報告はなく,食道癌再発後の予後予測因子としての意義は不明である.今回われわれは,食道亜全摘術後に再発を認めた食道癌患者における再発時PNI,NLR,mGPSを各々測定し再発後予後との関連を検討した.
【対象・方法】2001年1月から2016年3月までに当科で食道癌に対して食道亜全摘術を行った208症例のうち,再発を認めた食道癌患者72名を対象とした.カットオフ値はROC曲線を用いて測定し,PNIは45,NLRは2.5,mGPSは1とした.
【結果】年齢の平均値は63.9歳であり,男女比は62:10であった.術前化学療法は39例(54.2%)に施行され,術後補助化学療法は40例(55.6%)に施行された.無再発生存期間中央値は7.4か月であり,51例(70.8%)が術後1年以内に再発していた.初発再発部位は局所が10例(13.9%),リンパ行性が47例(65.3%),遠隔転移が31例(43.1%)であり,再発後生存期間中央値は7.7か月であった.再発後の治療は59例(81.9%)で行われ,13例(18.1%)が再発後に治療を受けなかった.再発時のPNI45未満,NLR2.5以上,mGPS1-2は各々41例(56.9%),43例(59.7%),37例(51.4%)に認められた.Kaplan-Meier法を用いた生存曲線では,再発後生存率はPNI45未満(P = 0.001),NLR2.5以上(P = 0.001),mGPS1-2(P < 0.001)で各々有意に低下していた.Cox比例ハザードモデルを用いた単変量解析では,再発時CEA ng/dl 5.0以上(P = 0.045),遠隔転移あり(P = 0.010),再発後治療なし(P < 0.001),PNI45未満(P = 0.004),NLR2.5以上(P = 0.001),mGPS1-2(P < 0.001)が再発後生存率の有意な予後不良因子であった.多変量解析では, PNI45未満[Hazard ratio(HR): 2.26, 95% confidence interval(CI):1.29 -3.95, P = 0.004],NLR2.5以上(HR: 1.90, 95% CI: 1.13-3.19, P = 0.016),mGPS1-2(HR: 1.99, 95% CI: 1.16-3.40, P = 0.012)は各々再発後生存率において独立した予後不良因子であった.
【結語】PNI,NLR,mGPSは食道癌再発患者において各々再発後の予後を予測しうる因子であった.
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