演題

食道癌の治療前CTにおけるリンパ節サイズと予後との関連について

[演者] 百瀬 洸太:1
[著者] 山﨑 誠:1, 田中 晃司:1, 牧野 知紀:1, 宮﨑 安弘:1, 高橋 剛:1, 黒川 幸典:1, 瀧口 修司:1, 森 正樹:1, 土岐 祐一郎:1
1:大阪大学大学院 消化器外科学Ⅱ

【背景と目的】食道癌に対する手術治療は,化学療法や化学放射線療法後に行う症例も多く,その治療方針は治療前検査による評価をもとに行われる.したがって治療前検査の診断精度向上は適切な治療方針の決定において重要である.術前治療例では切除標本における病理診断には術前治療の影響が排除できず,病理診断との対比による術前診断の正確性評価ができないため,病理診断とは別に検討する必要がある.リンパ節転移診断では,CT検査によって非侵襲的かつ簡便に多くの情報が得られることから,リンパ節のCT所見について詳細に検討する価値が大きいと考えられる.そこで今回食道癌におけるリンパ節のCT所見について,治療前CTでサイズについて詳細を検討し,それをもとにした転移診断によって予後の層別化が可能かどうか後ろ向きな検討をすることとした.【対象と方法】2012年1月から2014年12月の間に当院で食道癌手術を行った胸部食道癌(扁平上皮癌)197例を対象とした.治療前CT(5mmスライス)で短径5mm以上の条件を満たすvisible nodeをピックアップし,その長径と短径を計測した.そのうち短径10mm以上かつ長径短径比が1.5未満のものを"転移"とし,第7版UICC TNM分類および第11版食道癌取扱い規約に則ってリンパ節"転移"を評価し,全生存を比較した.【結果】短径5mm以上のリンパ節は合計27部位1038個で,そのうち短径10mm以上かつ長径短径比1.5未満を満たすリンパ節は102個であった.第7版UICC TNM分類ではNカテゴリーの順番に全生存が低下した.第11版食道癌取扱い規約ではN0,N2,N3,N1の順に全生存が低下した.【考察】本結果から,CTにおけるリンパ節のサイズをもとにしたリンパ節転移診断では,その個数が予後を反映することが示唆された.リンパ節の部位でNカテゴリーを分類している取扱い規約で予後を反映していないことから,部位毎に真のリンパ節転移基準が異なっていると推測される.実際,描出された1038個のリンパ節は,その部位によって大きさや長径短径比の特徴が異なっていた.すべてのリンパ節を同一基準で診断するには精度の限界があり,CTによるリンパ節転移診断精度向上には,部位別のサイズ基準を検討する必要性があると考えられた.
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