演題

食道癌におけるCT,PET-CTによるリンパ節転移診断に関する検討

[演者] 石橋 勇輔:1
[著者] 辻本 広紀:1, 平木 修一:1, 菅澤 英一:1, 堀口 寛之:1, 青笹 季文:2, 神藤 英二:1, 長谷 和生:1, 山本 順司:2, 上野 秀樹:1
1:防衛医科大学校病院 第1外科, 2:防衛医科大学校病院 外科3・肝・胆・膵外科

【諸言】食道癌の術前リンパ節転移診断において,気管周囲には炎症性変化に伴う腫大したリンパ節が存在するため,リンパ節径のみで転移の有無を正診することは困難である.今回我々は,CTおよびPET-CTを用いた術前リンパ節転移診断の正診率について,領域別に検討を行った.【対象と方法】術前にCTおよびFDG-PETの両検査が行われた140症例の食道癌切除症例(2009~2014年)を対象とした.熟練した放射線科医と消化器外科医で治療前の画像を評価し,CT画像において短径>8mmを,PET-CTではFDGがリンパ節に特異的に集積していると判断したものを転移陽性とした.また,郭清対象外の領域リンパ節については,術後2年以内にその部位にリンパ節再発が発生した場合は転移陽性,2年以上再発を認めなかった場合に転移陰性とした.【結果】対象症例の平均年齢は70.7歳.男性119,女性 21例で,占居部位はUt:23,Mt:56,Lt:52,Ae:9例であった.UICC 7th のpStage別に,Stage 0,I,II,III,IVは各々1,33,35,67,4例であった.66例で術前化学療法が,12例で術前放射線化学療法が施行された.全領域におけるCTでの正診率は77%[106recR]-96%[112](平均91%),PET-CTでは80%[106recR]-98%[112](平均92%)で,両者に有意な差は認められなかった(p=0.16).CTとPET-CTの両者ともに転移陽性と診断した場合には,正診率は81%[106recR]-99%[106pre](94%)であり,CT単独,PET-CT単独による診断よりも有意に良好であった(共にp<0.01).陽性的中率(PPV)が0.30を超えた領域は,CTでは106recR,109Lで,PET-CTでは106recR,106recLであった.105,108,110,111,112では,いずれの検査においてもPPVが0であった.【結語】食道癌術前リンパ節転移診断では,CT,PET-CTの両検査を組み合わせることで正診率は向上する.一方,食道傍リンパ節や後縦隔,横隔膜上リンパ節に関して,両検査による術前転移診断には限界があると考えられた.
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