演題

食道癌術前DCF療法におけるFDG-PET検査による有用性の検討

[演者] 錦 耕平:1,2
[著者] 麓 祥一:1,2, 藤島 紀:2, 柴田 智隆:2, 衛藤 剛:2, 内田 雄三:1, 白石 憲男:2, 猪股 雅史:2
1:大分中村病院 外科, 2:大分大学附属病院 消化器外科

【背景】進行食道癌における術前化学療法としてDCF療法の有効性が報告されている.一方,治療効果判定としては,従来のCT,内視鏡検査に加え,FDG-PET検査の有用性に関する報告もあるが,検討の余地は多い.【目的】術前化学療法としてDCF療法を施行した進行食道癌に対するFDG-PET検査の有用性を検討する.【対象・方法】2013年6月より2016年7月までに,術前化学療法としてDCF療法を施行した食道癌患者52症例の術前治療によるFDG集積の変化,病理所見,予後をretrospectiveに検討した.【結果】症例は男性/女性=47/5名,年齢中央値:66(47-80)歳,占拠部位:Ce/Ut/Mt/Lt=3/2/20/12,cT1b/2/3/4=4/8/38/2,cN0/1/2/3=17/18/16/1,cStageI/II/III/IV(LYM含む)=9/8/24/11.治療前の主腫瘍へのFDG集積は全症例に,リンパ節へのFDG集積は30症例(57.7%)に認めた.2コース後PDであった1例を除く51症例で3コース完遂した.術前(DCF療法後)のFDG-PET検査にて主腫瘍,リンパ節ともにFDG集積を認めない(PET-negative)症例は,21例(40.4%)であった.4例がCRTを選択され,48例で外科的治療が施行された.切除標本の病理結果はpT0/1/2/3/4=14/11/7/11/5,pN0/1/2/3=25/10/9/4,pStage0/I/II/III/IV(LYM含む)=12/9/13/8/6,病理組織学的効果判定Grade0/1a/1b/2/3=2/13/8/13/12であり,32症例(61.5%)でdown-stagingを認めた.PET-negative症例の9例にpStage0を認めるも,8例(40.0%)にリンパ節転移を認めた.術前DCF療法後のFDG集積の有無による無再発生存期間(中央値)はPET-positive/PET-negative=9.3M/26.1M(p=0.03)であり,再発形式は領域内リンパ節再発/遠隔リンパ節再発/遠隔臓器再発(PET-positive=2/5/7,PET-negative=2/0/1)であった.【結語】進行食道癌に対する術前DCF療法後のPET-negative群は予後良好であるが,リンパ節転移の偽陰性の可能性もあり,慎重な治療戦略が必要と考えられた.
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