演題

腹膜病変を有する胃癌患者における2nd look Staging laparoscopyの有用性

[演者] 文 正浩:1
[著者] 柳本 喜智:1, 大森 健:1, 杉村 啓二郎:1, 秋田 裕史:1, 小林 省吾:1, 高橋 秀典:1, 安井 昌義:1, 宮田 博志:1, 矢野 雅彦:1
1:大阪府立成人病センター 消化器外科

腹膜転移が進行胃癌の転移形式としては最も多く,治療方針の決定にはその診断が重要であり,その診断のためにStaging laparoscopy (SL) が施行される場合が多い.近年,腹膜播種に対して効果のあるレジメンの開発も進み,腹膜病変が消失する症例も報告される.手術を含めた集学的治療で予後を延長する可能性があり,手術適応の診断目的には2nd look SLが有用であると考える.
当院で2011~2015年までに進行胃癌の患者147名に対してSLを施行した.非治癒因子がCY1あるいはP1のみであった患者49例に対して化学療法を施行し,その後32例に対して病期診断ために 2回以上のSLを施行した.32例中24例は腹膜病変の消失あるいは病勢コントロール可能であったため胃切除を施行し(切除群),8例は化学療法を継続した(非切除群).また17名に対してはSLを行わず化学療法を継続した(化学療法群).切除群と化学療法群,非切除群で患者背景や予後を検討し,また予後に関連する因子を多変量解析にて検討した.
49例の年齢の中央値は65(25-79)歳,男性 28例,女性 21例で,cT1 1例,cT3 5例,cT4a 37例,cT4b 6例であり,cN0 15例,cN1 12例,cN2 18例,cN3 4例であった.pCY0 22例,pCY1 27例で,pP0 5例,pP1 44例であった.SL回数は1回 17例,2回 27例,3回 4例,5回 1例であった.49例のMSTは628日であった.切除群と非切除群,化学療法群との予後比較では,切除群のMSTが1071日であり,非切除群394日,化学療法群401日と比較し有意に予後がよかった(p=0.022,p=0,016).また予後因子を単変量解析で解析すると,65歳以上,胃切除が予後因子であり(p=0.014,p=0,007),多変量解析でも同様に予後因子であった(p=0.036,p=0.018).
手術を含めた集学的治療が予後を延長する可能性があり,腹膜病変を有する進行胃癌患者に対して2nd look SLが手術適応を決定するための有用な診断方法の一つであると考えられた.
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