演題

胃癌に対する当院の審査腹腔鏡の現状

[演者] 村木 隆太:1
[著者] 佐藤 真輔:1, 永井 恵里奈:1, 瀧 雄介:1, 渡邉 昌也:1, 大端 考:1, 金本 秀行:1, 大場 範行:1, 高木 正和:1
1:静岡県立総合病院 外科

はじめに:腹膜播種を伴う胃癌は予後不良であるが,初期の腹膜播種は非常に小さいため画像検査で発見が困難となることがある.当院では①長径8cm以上の3型もしくは4型胃癌,②Bulkyリンパ節転移(腹腔動脈およびその主要分枝,上腸管膜静脈前面に長径1.5cm以上のリンパ節が2個以上接して存在するか,リンパ節が長径3.0cm以上の集塊を形成するもの),③大動脈周囲リンパ節転移(No.16a2/b1),④画像検査で腹膜播種の疑いや少量から中等量の腹水を認める症例,に対して審査腹腔鏡(Staging Laparoscopy,以下SL)を行い治療方針を決定している.今回,当院での胃癌に対するSLの安全性と精度について検討した.
対象:2011年1月から2016年11月までに胃癌症例でSLを施行した71例(臨床試験登録症例を除く).
結果:男性38例,女性33例.年齢中央値は68歳(36歳から85歳).手術方法は臍下から12mmカメラポートを,両側側腹部に5mmポートを挿入した.腹腔内を観察し,腹壁や腸管膜に播種結節や肝転移,腹水の有無を評価した.播種結節があれば生検を行い,洗浄細胞診は左横隔膜下とダグラス窩(膀胱直腸窩)から採取した.SL手術時間中央値は49分(21分から167分)で,全例術後合併症は認めなかった.術前画像検査で腹膜播種の指摘がなかったが,SLで腹膜播種が認められたのは7例(9.8%,7/71)であった.逆に術前画像検査で腹膜播種の疑いがあった22例でSLにより腹膜播種が認められなかった症例は7例(31.8%,7/22)存在した.SLで腹膜播種が認められず,根治術を予定した43例で開腹したときに腹膜播種が認められた症例が4例存在した(9.3%,4/43).
結語:SLは安全に施行でき,多くの腹膜播種症例において単開腹を避けられる点で有用である.画像検査で腹膜播種が疑われてもSLで播種が認められない症例も少なくないため,高度進行胃癌ではSLを積極的に行うべきである.
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