演題

残胃癌の臨床病理学因子及びリンパ節転移の傾向の比較

[演者] 南 泰山:1
[著者] 亀井 英樹:1, 磯辺 太郎:1, 木崎 潤也:1, 青柳 慶史朗:1, 赤木 由人:1
1:久留米大学医学部 胃・大腸外科

[目的]内科的治療の進歩や胃切除後の長期成績の向上などにより,今後残胃癌は増加傾向にあるものと推測される.しかしながら,残胃癌に対する至適リンパ節郭清範囲に明確な基準は設けられていないのが現状である.そこで,当施設における残胃癌の臨床病理学的因子,リンパ節転移部位の頻度および予後に関してretrospectiveに検討した.
[対象・方法]当施設で2001~2010年までに経験した39例の残胃癌を対象とし,R2手術群や同時多発癌は除外した.初回手術時の再建方法はB-Ⅰ再建が20例(B/M群:5/15例),B-Ⅱ再建が19例(B/M群:16/3例)であった.初回手術の良悪性によりB群(n=21),M群(n=18)の2群に分け,さらに胃体上部の初発胃癌:U群(n=138)も同時に比較検討した.
[結果]初回手術からの介在期間はB群で34.5年,M群で11.3年であった(p<0.05).腫瘍径はB群(73mm)がM群(41mm)に比べ有意に大きく(p<0.05),pStageはB群でStageⅠ/Ⅱ/Ⅲ/Ⅳ:7/3/2/9例,M群でStageⅠ/Ⅱ/Ⅲ/Ⅳ:10/4/1/3例とB群において進行例を多く認めた. リンパ管侵襲(ly2-3)はM群(%)と比較しB群(%)において高度侵襲を認めた(p<0.01). リンパ節転移頻度は,M群はB群と比べNo10,No11dの陽性率が高かった(B群vs M群:0%vs25%,0%vs100%).
予後に関して検討すると,5年生存率は残胃癌:51.9%(B群:45.7%, M群:59.0%),胃体上部癌(U群)62.9%であった(p=0.27).3群間で比較するとB群ではU群と比較し5年生存率は低く有意差を認めた(p=0.05).
[考察]残胃癌の予後は不良との報告が多いが,初回手術時の疾患によってはU群と比較し有意差はなかった.M群においてNo10,No11dのリンパ節転移陽性頻度がB群と比較して高率であった理由として,M群は初回手術時に郭清が施行されておりリンパ流の変化によるものと推測される.残胃癌と胃体上部癌の臨床病理学的因子やリンパ節転移分布の傾向,初回手術時疾患や再建方法について予後を含めた比較検討を行ったので文献的考察を含めて報告する.
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