演題

残胃癌手術症例28例から考える予後因子の検討

[演者] 広田 将司:1
[著者] 長瀬 博次:1, 野口 幸蔵:1, 浜部 敦史:1, 谷田 司:1, 富丸 慶人:1, 川瀬 朋乃:1, 森田 俊治:1, 今村 博司:1, 堂野 恵三:1
1:市立豊中病院 外科

【背景】残胃癌の外科治療では初回手術の影響としてリンパ流の変化が指摘されているが,リンパ節郭清の範囲や摘脾の要否などについて十分な見解が得られていない.【目的】当院で近年行われた残胃癌への手術症例を後方視解析し,予後因子や必要な対策を考察する.【方法】2010年1月~2015年3月の間,当院で外科治療が行われた残胃癌28症例について,臨床病理学的背景,術式,合併症等を確認し,無再発期間・全生存期間およびこれらに影響する臨床病理学的因子を多変量解析にて検討した.【結果】全28例は男性24例,女性4例,平均年齢68±9.8歳,Stage I / II / III / IV = 15 / 8 / 3 / 2で,初回胃切除の原因疾患は,19例が胃癌(M群),9例は胃・十二指腸潰瘍(V群)であった.20例に残胃全摘,8例に残胃幽門側胃切除が施行され,9例でD2郭清(うち2例は脾摘)が行われ,その他はD1ないしD1+郭清が行われた.転移陽性リンパ節個数はV群の方がM群よりも多い傾向にあり(17.7 vs. 12.9個, p=0.0647),有意差は認めないものの無再発期間,全生存期間ともにV群の方がM群よりも悪い傾向にあった.全生存期間へ影響する因子の解析では,"リンパ節郭清範囲"が有意な因子で,郭清範囲が大きい症例ほど予後が悪いとの結果であった(D2 vs. D1/D1+, OR: 15.1, 95%CI:1.14-621, p=0.0391).【結語】良性疾患に施された胃切除後の残胃癌はリンパ節転移をきたしやすく予後不良である可能性が示唆された.リンパ節郭清範囲を拡大しても予後改善につながらない可能性があり,集学的な治療戦略が必要と考えられた.
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