演題

臨床病理学的検討からみた残胃癌における至適リンパ節郭清

[演者] 平井 公也:1
[著者] 南澤 恵佑:1, 井口 健太:1, 佐藤 渉:1, 宮本 洋:1, 湯川 寛夫:1, 大田 貢由:1, 國崎 主税:1, 遠藤 格:2
1:横浜市立大学附属市民総合医療センター 消化器病センター, 2:横浜市立大学医学部 消化器・腫瘍外科学

・背景
初回手術による癒着やリンパ流の変化は多様なため,残胃癌手術における切除・郭清範囲については明確な基準がない.
・目的
残胃癌の臨床病理学的特徴を解析し,至適なリンパ節郭清を明らかにする.
・対象・方法
1993年5月から2015年12月の期間に当施設で手術を行った残胃癌48例において,初回手術時の疾患・術式別のリンパ節(LN)転移,臨床病理学的特徴を解析し,至適リンパ節郭清方法について検討した.
・結果
初回術式は幽門側・広範囲胃切除(46例),噴門側胃切除(1例),膵頭十二指腸切除(1例)であり,再建方法はB-I(27例),B-II(19例),R-Y(1例),空腸間置(1例)であった.初回手術良性疾患群(B群,n=22),悪性疾患群(M群,n=26)に分け検討すると,B群でLN郭清個数が多く,LN転移陽性率,再発率,5年生存率では差を認めなかった.癌の局在で比較すると,非吻合/縫合部に比べ吻合/縫合部癌でLN転移(p=0.016)が多かった.LN転移の有無で比較すると,LN転移陽性例では全例が深達度T3以深であり,再発が多く(p<0.001),5年生存率 (p<0.001)も有意差を認め予後不良であった.全体の48例においてLN転移陽性は11例であり,その内5例(45.5%)でNo.10,No.11転移を認めた.また,残胃空腸吻合群20例中3例で小腸間膜LN転移認めた.M群においてB-I 群,残胃空腸吻合群を比較すると,残胃空腸吻合群でNo.10(p=0.056),No.11(p=0.039)に転移が多い結果となった.
・結語
悪性疾患術後の残胃癌におけるリンパ節郭清はNo.10,No.11郭清が,特に残胃空腸吻合後では小腸間膜リンパ節郭清が必要と考えられる.
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