演題

腹腔鏡下幽門側胃切除術における術前CT画像を用いた手術時間を予測する簡便な指標に関する検討

[演者] 後藤 裕信:1
[著者] 安田 貴志:2, 金治 新悟:1, 押切 太郎:1, 山本 将士:1, 中村 哲:1, 鈴木 知志:1, 藤野 泰宏:2, 富永 正寛:2, 掛地 吉弘:1
1:神戸大学附属病院 食道胃腸外科, 2:兵庫県立がんセンター 消化器外科

【背景】
近年,生活習慣の欧米化に伴い,肥満症例に対して手術を行う機会が増加している.肥満を表す指標としてBody mass index(BMI)が一般的に用いられるが,BMIが低値であるにも関わらず内臓脂肪量が多く,手術に難渋することがある.我々は,患者体型を反映させた手術難易度を示す指標として,CT画像を用いて腹壁から腹腔動脈分岐部までの距離を測定することを考案した.
【目的】
腹腔鏡下幽門側胃切除術(LDG)における手術難易度を示す指標として,腹壁から腹腔動脈分岐部までの距離を測定することの有用性を明らかにする.
【対象・方法】
兵庫県立がんセンターで,2012年9月~2016年3月の間に,日本内視鏡外科学会・技術認定医(胃)が執刀したLDG(D1+郭清),66例を対象とした.腹壁表面から腹腔動脈分岐部の距離をSkin to celiac artery distance (SCD),腹壁後面から腹腔動脈分岐部の距離をFascia to celiac artery distance (FCD)とした.手術時間の中央値(標本摘出まで,幽門下リンパ節郭清,膵上縁リンパ節郭清)で長時間群,短時間群に分類し,手術難易度に影響を与える因子に関して調べた.
SCD,FCDのカットオフ値はROC曲線を用いて設定した.
【結果】
手術時間が長時間群に有意に分類される因子は,標本摘出までの時間で,BMI(≧25),FCD(≧70mm),SCD(≧88mm)であった.幽門下リンパ節郭清では,FCD(≧70mm),SCD(≧81mm)であった.膵上縁リンパ節郭清では,BMI(≧25mm),FCD(≧72mm),SCD(≧88mm)であった.多変量解析で長時間群に分類される独立した因子としてSCDが抽出された.
【結語】
CT検査から測定できる腹壁から腹腔動脈分岐部までの距離は,簡便に測定することができ,LDGの手術難易度を予測する因子として有用であった.
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