演題

胃癌リンパ節転移に関する術前評価についての検討

[演者] 伊藤 眞廣:1
[著者] 松本 壮平:1, 若月 幸平:1, 右田 和寛:1, 國重 智裕:1, 中出 裕士:1, 北野 睦子:1, 中谷 充宏:1, 庄 雅之:1
1:奈良県立医科大学附属病院 消化器・小児外科・乳腺外科

【目的】胃癌におけるリンパ節(LN)転移は,治療方針や予後の決定に深く関与するため,その術前診断は重要であるが,現在のところ明確な診断基準は定まっていない.今回,我々は胃癌のLN転移の術前診断方法について検討した.【対象と方法】2012から2015年に,当院で胃切除術を施行した術前未治療胃腺癌240例に対して,術前CTを用いて領域LNをretrospectiveに評価し,LN番号と長径,短径を記録した.術前LN評価結果と臨床病理学的因子を用いて,術前LN転移の最適な診断方法とその精度について検討した.病理組織学的因子は胃癌取扱い規約第14版に従った.【結果】計403個のLNを同定,評価した.各患者における長径,短径,縦横比(L/T)の最大値を算出した.長径は7.3±6.1mm,短径は4.8±4.1mm,L/T は0.48±0.37であった.術後病理結果では,pN0/pN1/pN2/pN3がそれぞれ162/24/26/28例であった.病理学的なLN転移陽性を予測するためのROC曲線を作成した.Area under curveは長径/短径/ L/Tがそれぞれ0.762/0.792/0.707で,短径を用いた場合が最も高値であった.感度と特異度の和が最大となる短径は7.0mmで,感度61.5%,特異度91.1%,陽性的中率78.1%,陰性的中率81.3%であった.術前CTでの短径7.0mm以上のLNの個数別で,病理学的な平均LN転移個数は,0個(計175例)で0.9個,1個(37例)で4.8個,2個以上(28例)で12.7個であった.pN0/pN1/pN2/pN3の頻度は,0個の場合はそれぞれ82/10/6/3%,1個では32/22/22/24%,2個以上では14/7/29/50%であった.短径7mm以上のLNを認めない175例中,pN2以上は15例(8.6%)であり,男/女が12/3例,分化型/未分化型が5/10例,壁深達度はcT1/T2/T3/T4が3/2/6/4例,pT1/T2/T3/T4が3/3/4/5例,pN2/pN3が10/5例,pStageIIA/IIB/IIIA/IIIB/IIIC/IVが3/2/4/2/3/1例であった.【結語】短径のカットオフ値7mmが術前LN診断に有用である可能性が示唆された.一方で,陰性患者においても高度のLN転移症例が存在し,さらなる検討が必要である.
詳細検索