演題

胃上部胃癌におけるリンパ節転移陽性範囲および郭清効果に基づいた至適術式の検討

[演者] 澤山 浩:1
[著者] 岩槻 政晃:1, 吉田 直矢:1, 問端 輔:1, 中村 健一:1, 大内 繭子:1, 木下 浩一:1, 馬場 祥史:1, 坂本 快郎:1, 馬場 秀夫:1
1:熊本大学大学院 消化器外科学

【目的】胃上部胃癌に対するリンパ節転移陽性範囲および郭清効果を解析し,至適郭清範囲を示すことを目的とする.【方法】胃上部胃癌に対して根治手術を施行した89例を対象とした.残胃癌,および術前化学療法を受けた患者は本検討から除外した.それぞれの領域のリンパ節郭清効果を評価するために,Index of estimated benefit from lymph node dissection(IEBLD)を用いた.【成績】深達度に基づくリンパ節転移の頻度は,pT1 12.8%, pT2 21.4%, pT3 60.9%, pT4 80.0%であり,5年無再発生存率は,pT1 85.4%, pT2 77.9%, pT3 52.8%, pT4 0.0%であった.リンパ節の領域に基づくリンパ節転移陽性患者の割合は,pT1-2症例では,No.3 10.7%, No.1 3.8%, No.2 2.6%, No.9 2.6%, No.7 1.8%であり,No.4sa, 4sb, 4d, 5, 6, 8a, 8p, 10, 11p, 11d, 12a, 14vに転移は認めなかった.pT3-4症例では,No.1 38.5%, No.3 37.0%, No.2 36.8%, No.11p 33.3%, No.10 28.6%, No.11d 14.3%, No.4d 11.8%, No.9 11.1%, No.7 7.7%, No.4sb 6.7%, No.5 5.6%, No.4sa 5.6%, No.8a 4.2%であり,No.6, 12a, 14v, 8p, 110, 111には転移は認めなかった.IEBLDは,No.3 10.3, No.1 6.3, No.2 5.3, No.11p 3.1, No.9 1.8, No.8a 1.6, No.7 1.2であり,その他のリンパ節のIEBLDは0であった.【結論】胃上部胃癌においてリンパ節転移陽性範囲に基づくと,T1-2症例では噴門側胃切除D1+(-8a, 11p)の範囲の郭清が,T3-4症例では胃全摘D2 (-No.6, 12a)の範囲の郭清が必要であった.IEBLDに基づくと,噴門側胃切除D1+郭清 (-No.4sa, 4sb)に郭清効果を認めた.
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