演題

食道胃接合部癌における転移再発形式-腺癌と扁平上皮癌の比較

[演者] 橋本 直佳:1
[著者] 黒川 幸典:1, 田中 晃司:1, 宮崎 安弘:1, 牧野 知紀:1, 高橋 剛:1, 山崎 誠:1, 瀧口 修司:1, 森 正樹:1, 土岐 祐一郎:1
1:大阪大学大学院 消化器外科学Ⅱ

【背景】近年,食道胃接合部癌の発生頻度が増加しているが,その転移再発形式に関して腺癌と扁平上皮癌で比較した報告は少ない.今回,食道胃接合部の腺癌および扁平上皮癌において,リンパ節転移割合,予後および再発形式について比較したので報告する.
【方法】1994年1月から2016年10月までに当院でR0/1切除を施行した,食道胃接合部癌(西分類)の147例(腺癌:96例,扁平上皮癌:51例)を対象とした.腺癌と扁平上皮癌のそれぞれの組織型において,臨床病理学的因子および無再発生存期間(RFS),再発形式について比較検討した.
【結果】腺癌と扁平上皮癌の背景因子においては,進行度を含め特に有意差を認めなかった.切除時のリンパ節転移割合は,腺癌では上縦隔 15% (4/27),中縦隔 33% (11/33),下縦隔 19% (14/75),胃領域 57% (55/96),扁平上皮癌では上縦隔 13% (5/40),中縦隔 17% (8/47),下縦隔 28% (14/51),胃領域 61% (30/51)であった.胃領域リンパ節としては,どちらの組織型においても#1,2,3,7,9,11pの転移割合が高かった.腺癌,扁平上皮癌における5年RFSはそれぞれ50.7%,49.2%とほぼ同等であったが(log-rank P=0.44),リンパ節転移陽性例における5年RFSは腺癌 30.8%,扁平上皮癌 42.1%と腺癌の方が不良の傾向を認めた.再発例における初発再発部位は,どちらの組織型においてもリンパ節,特に傍大動脈リンパ節が多かったが,腺癌では扁平上皮癌に比べて肺と腹膜の割合が高い傾向を示した.
【結語】食道胃接合部癌のリンパ節転移部位に関しては,腺癌と扁平上皮癌の間で明らかな違いは認めなかったが,リンパ節転移陽性例では扁平上皮癌の方が予後良好な傾向を認めた.また再発形式としては,腺癌では扁平上皮癌と比べて肺と腹膜の割合が高い傾向を示した.
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