演題

pT1胃癌の再発リスク因子に関する検討

[演者] 土屋 智:1
[著者] 辻本 広紀:1, 平木 修一:1, 菅澤 英一:1, 堀口 寛之:1, 野村 信介:1, 伊藤 希:1, 青笹 李文:2, 山本 順司:2, 上野 秀樹:1
1:防衛医科大学校病院 外科1・上部消化管外科, 2:防衛医科大学校病院 外科3・肝・胆・膵外科

緒言:ACTS-GC試験の結果に基づき,pStageⅡ/Ⅲ胃癌ではS-1による補助化学療法を行うことが標準治療とされている.しかしACTS-GC試験ではpT1症例は対象外とされており,pT1症例に対する術後補助化学療法の意義は不明である.今回,pT1症例の術後成績を検討し,pT1胃癌の再発リスク因子について検討した.
対象と方法:当院で2009年から2015年までに初発胃癌に対して根治手術が施行された655例のうち,pT1と診断された278例(pT1a:127例(45.7%),pT1b:151例(54.3%))を対象として,再発リスク因子を検討した.リンパ節転移分類は胃癌取扱い規約第14版に準拠した.
結果:再発を来した症例はpT1aで1例(0.8%),pT1b症例で12例(8.2%)であり統計学に有意な差を認めた(p<0.05).リンパ節転移分類別にpN0,pN1,pN2,pN3の症例数は,pT1a症例では127例,4例,0例,2例,pT1b症例では114例,24例,6例,2例であり,再発症例はpN0,pN1,pN2,pN3において,9例,4例,6例,3例であった.pN0/1症例(269例)の5年無再発生存率は95.2%であったのに対し,pN2/3症例(9例)では77.8%と,2群間で統計学的に有意な差を認めた(p<0.05).再発症例ではリンパ管侵襲(ly2以上),静脈侵襲(v2以上),リンパ節転移陽性例が有意に多かったが,年齢,性別,占居部位,肉眼型,腫瘍径,組織型では無再発症例と差を認めなかった.
結語:pT1症例でも深達度がpT1bで,リンパ管侵襲,静脈侵襲,リンパ節転移が高度な症例では再発のリスクが高いことより,状況に応じて補助化学療法を考慮すべきと考えられた.
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