演題

胃癌ESD後の追加切除症例の臨床病理学的検討

[演者] 額原 敦:1
[著者] 宮崎 安弘:1, 瀧口 修司:1, 田中 晃司:1, 牧野 知紀:1, 高橋 剛:1, 黒川 幸典:1, 山崎 誠:1, 森 正樹:1, 土岐 祐一郎:1
1:大阪大学大学院 消化器外科学Ⅱ

【はじめに】早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層切除術(以下ESD)が普及し内視鏡治療の適応が拡大する傾向にある.その結果,病理検査で適応外病変と判明する症例も増え,当科においてもESD施行後の追加治療目的の追加切除症例が行われる症例が増加傾向にある.追加切除症例の臨床病理学的検討を行いその現状を明らかにすることを目的とした.
【対象と方法】2009-2016年の7年間に当科でESD後追加胃切除を行った63症例について,患者背景,術前診断,術後病理検査結果,手術成績,術後経過について検討を行った.
【結果】患者の年齢の中央値は70歳(43-84歳),性別は男:女=53:10,腫瘍の占拠部位はU:M:L=15:23:25,腫瘍径の中央値23(5-76)mmであった.病理組織検査において深達度はM:SM=17:46,組織型は分化:未分化=40:23,ly0/ly1=42/21,v0/v1=50/13,UL(-)/UL(+)=39/24,断端(-)/断端(+)=52/11であった.ESD中断症例を3例含んでいる.手術のアプローチは腹腔鏡下:開腹=62:1で行われ,術式は残胃全摘:噴門側胃切除:胃全摘:幽門側胃切除=2:11:6:44であった.リンパ節郭清は,D0:D1+:D2=1:58:3であった.手術時間中央値は233分(147-377),出血量50ml(0-600)であった.胃切除後の病理組織検査では,腫瘍の残存を7例(11.1%)に認めた.1例は深達度がT2であった.リンパ節転移を有した症例を4例(6.3%)認め,N1が2例,N2が2例の結果であった.手術後の観察期間中央値は36ヶ月(1-84)であった.術後再発の有無については,N2症例,ly+v+症例で肝転移再発を2例認めた.
【まとめ】胃癌ESD後の追加切除症例において,転移・再発の割合は少ないが,リンパ節転移陽性症例や脈管侵襲陽性症例については,転移・再発のリスクがあり,術後慎重な経過観察が必要と考えられる.
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