演題

腹腔鏡下左側結腸手術における術前栄養評価

[演者] 長田 寛之:1
[著者] 中瀬 有遠:1, 中村 慶:1, 寒川 玲:1, 望月 聡:1, 北井 祥三:1, 稲葉 征四郎:1
1:市立奈良病院 外科

緒言:術前の栄養障害は,術後在院日数延長に関連すると考えられており,我々はこれまでに腹腔鏡下胃切除術後在院期間延長予測に術前CT画像における筋肉量測定が有用である可能性を示してきた.目的:腹腔鏡下左側結腸切除術の術後経過予測に関し,術前CTでの大腰筋/体幹断面積比(Psoas/All trunk Ratio以下, PandA Ratio)を含めた栄養指標による評価の有用性を検討する.対象と方法:2012年4月~2016年6月に当院で施行した腹腔鏡下左側大腸手術 157例のうち,Stoma造設25例,機能的端端吻合38例,非癌病変8例を除外した86例を対象に,背景因子は年齢,性,術前併存疾患,栄養指標はBMI,PandA Ratio,リンパ球数, Alb値, modified Glasgow prognostic scale(以下,mGPS), 腫瘍因子は腫瘍径, 環周率, 組織型, v, ly, T, N, Stage, また, 手術因子は合併手術の有無,切除範囲, 血管処理方法,腸管切離回数, 手術時間, 出血量などの因子を選択し,術後在院日数との相関をretrospective に検討した.結果:単変量解析では,PandA Ratio(p=0.0001),切除範囲(p=0.0016),腸管切離回数(p=0.022),出血量(p=0.0366)が在院日数延長のリスク因子で,多変量解析でPandA Ratio(p=0.0032)と切除範囲(p=0.0336)が独立因子となった.考察:JCOG0404試験解析の結果,高BMI症例での術後成績の施設間格差の可能性が示唆されたが,これは腹腔鏡下操作時の視野悪化を招く腹腔内脂肪の影響が反映されていると考える.そこで,我々は術前栄養評価項目に,癌治療では必ず用いられるCT画像から骨格筋と腹腔内脂肪のバランスに関連するような指数として簡便に計測できるPandA Ratioを考案した.結語:腹腔鏡下左側結腸切除の術前CT画像における筋肉量計測による栄養評価は術後経過予測に有用な可能性が示唆された.
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