演題

大腸癌術後合併症の発生要因の解析

[演者] 土居 浩一:1
[著者] 北村 文優:1, 石踊 裕之:1, 大地 哲史:1
1:宮崎県立延岡病院 外科

【はじめに】大腸癌手術後の感染症は在院日数の延長や術後のQOLを低下させる原因となっている.そのためSSIの発生要因を鑑みた手術と周術期バンドルの準備を行う必要がある.今回当院における大腸癌手術におけるSSI発生リスク因子について栄養関連因子を含めて解析した.
【方法】2014年1月から2016年6月までに当科にて施行した大腸癌手術症例の85例を対象とした.SSIサーベイランスを行い,SSI発生状況を明らかにし,SSI発生に関するリスク因子を単変量および多変量解析を用いて後ろ向きに解析した.栄養因子として小野寺のPrognostic nutrition infdex(PNI)とControrig Nutrition Status (CONUT score)による評価を行った.
【結果】対象症例の年齢の中央値74歳(40-91歳).男女比45:40.SSI発生率は全体で23.5%であった.感染源として表層切開創は8.2%,深部切開創感染2.3%,深部・体腔は13.0%であった(重複含む).
SSI発生リスク因子について単変量解析では,CRP,Hb,CONUT,手術時間,出血量,人工肛門造設が統計学的有意差がみられ,多変量解析ではCONUT≧3(HR 4.16, 95%CI 1.049-18.677, p=0.04),手術時間≧212min (HR 11.28, 95%CI 1.400-118.676, p=0.02)と出血量 (HR 4.31, p=0.03)が抽出された.SSIが複数発生した4例の内3例はCONUT≧3の症例であった.Clavien-Dindo分類I,II群とIII,IV,V群の2群間で上記独立因子を比較したところ,CONUT scoreは2.38±2.0vs5.00±3.6 (p=0.08) 重症度が増すと高くなる傾向を認めた.
SSI発生の術後在院日数(30.0日)は非発生群(17.1日)と比較して有意に延長していた(p<0.001).
【結語】大腸癌手術におけるSSI発生に関する独立因子はCONUTと手術時間,出血量であるため,CONUT scoreが高い症例は可及的に術前栄養療法を行い,手術時間の短縮と出血量を抑制する工夫が必要である.
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