演題

当院で施行した腹腔鏡下大腸切除術におけるMultimodal analgesiaの妥当性について

[演者] 向井 正一朗:1
[著者] 安達 智洋:1, 河内 雅年:1, 佐田 春樹:1, 田口 和浩:1, 中島 一記:1, 寿美 裕介:1, 惠木 浩之:1, 大段 秀樹:1
1:広島大学附属病院 消化器外科

【背景】複数の鎮痛薬を組み合わせて使用するMultimodal analgesia:多角的鎮痛(以下,MMA)が知られているが,腹腔鏡下大腸切除術についての検討はまだ少ない.
【目的】当院で施行した腹腔鏡下大腸切除術(以下,LAC)症例の術後MMAの妥当性について安全性,有用性について,従来群と比較し検討する.
【対象】2014年10月から2016年3月まで当院で施行したLAC症例133例
【方法】MMA群(PCEAあるいはIV-PCAによるオピオイド投与とアセトアミノフェン,NSAIDsの併用定期投与)と,従来群(オピオイド投与+NSAIDs屯用投与群)の2群について,安全性(術後合併症等)と有効性(術後1日目,2日目の鎮痛効果,術後在院日数,初回排便日)について解析する.なお,オピオイド投与量は,PCEAはフェンタニルの0.12mL/hr持続投与+0.08mLボーラス投与,IV-PCAはモルヒネ0.1mLボーラス投与で行った.MMA群ではNSAIDsはアセトアミノフェン1000mgを6時間おきに48時間定期静注とセレコキシブ200mgを12時間おきに定期内服とした.従来群ではアセトアミノフェン,セレコキシブを疼痛時に屯用した.鎮痛効果は安静時,体動時に分けそれぞれVisual Analogue Scale(以下,VAS)と,ボーラス使用回数について評価した.
【結果】MMA群:従来群における年齢中央値68:66(p=1.000),性別 男:女=(37/23):(48/25)(p=0.717),部位 右側:左側=(20/40):(14/59)(p=0.074),ASA-PS 0-1:2-3=(13/47):(16:57)(p=1.000),BMI中央値 23:22(p=0.843),fStage:0 5:3(n=8),I 27:22(n=49),II 14:15(n=29),IIIa 17:14(n=31),IIIb 4:2(n=6),IV 8:2(n=10),手術時間中央値 307:309分(p=0.593),出血量中央値 43:46mL(p=0.540),術後1日目の安静時VASはMMA群で低い傾向を示した(p=0.057)が,2日目,体動時では両群に有意な差は認められなかった(それぞれp=0.599, p=0.297, p=0.297).ボーラス使用回数は術後1日目,2日目ともMMA群で有意に少なかった(p=0.036,p=0.015).術後在院期間,点滴終了日,初回排便日はMMA群で有意に早く(p=0.049, p=0.038, p=0.018),縫合不全,SSI,イレウスの合併は両群で有意な差を認めなかった(p=0.658, p=0.501, p=0.546).

【結論】MMA群は,従来群と比較して安全性,有効性について妥当であると考えらるが,症例数が少なく,今後さらに症例を重ねて検討していく必要があると考えられる.
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