演題

腹腔鏡下大腸切除術におけるアセトアミノフェン定期静脈投与の効果の検討

[演者] 岸 真示:1
[著者] 西沢 祐輔:1, 門馬 浩行:1, 堀 宏成:1, 衣笠 章一:1, 中村 毅:1
1:兵庫県立加古川医療センター 外科

【背景】ERASの一環として,術後疼痛管理の見直しを行った.疼痛管理改善目的にアセトアミノフェン静注薬の定期静脈投与をクリニカルパスに導入する方針として,2016年4月から5月にかけて腹腔鏡下大腸切除術のクリニカルパス改訂を行った.2016年6月から改訂後のクリニカルパス使用を開始した.
【対象】当院で腹腔鏡下大腸切除術を施行された56例を対象とした.2015年9月から2016年3月の6ヶ月間に旧バージョンのクリニカルパスを使用した29例(旧)と,2016年6月から11月の6ヶ月間に新バージョンのクリニカルパスを使用した27例(新)を対象とした.(新)では手術当日(OP当日)から第3病日(3POD)まで6時間毎にアセトアミノフェンの定期静脈投与を行った.【方法】それぞれの群の術後鎮痛方法,手術当日(OP当日)から第7病日(7POD)までの追加鎮痛剤投与回数,追加投与時期について検討を行った.【結果】(旧)は,男性14例,女性15例,平均年齢69.4歳で,結腸癌12例,直腸癌17例であった.(新)は,男性11例,女性16例,平均年齢66.9歳で,結腸癌21例,直腸癌6例であった.術後の鎮痛方法は,(旧)では硬膜外ブロック20例,オピオイド静注3例,硬膜外ブロック+アセトアミノフェン定期静脈投与2例,オピオイド静注+アセトアミノフェン定期静脈投与4例であった.(新)では硬膜外ブロック+アセトアミノフェン定期静脈投与22例,オピオイド静注+アセトアミノフェン定期静脈投与2例,アセトアミノフェン定期静脈投与1例,硬膜外ブロック1例であった.7PODまでの追加鎮痛剤投与回数は,(旧)で0~23回(平均7.0回),(新)で0~10回(平均3.9回)であった.追加投与が必要となった時期と回数の内訳は,(旧)では1PODで2.8回,2PODで2回,3PODとOP当日で1.9回の順に多かった.(新)では1PODで2.0回,4PODと5PODで1.7回,OP当日で1.6回の順に多かった.【考察】アセトアミノフェンの定期静脈投与は術後の鎮痛効果に優れ,鎮痛剤の追加投与回数を減らす効果が認められた.アセトアミノフェンの定期静脈投与終了後に鎮痛剤の追加投与回数が増加する傾向が認められ,投与期間の延長や経口鎮痛剤への引継ぎなどに工夫の余地があると考えられた.
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