演題

腹膜偽粘液腫に対する完全減量切除術の術後合併症に関わる因子の検討

[演者] 松永 理絵:1
[著者] 佐藤 雄:1, 秀野 泰隆:1, 合田 良政:1, 矢野 秀朗:1
1:国立国際医療研究センター病院 外科

[目的]腹膜偽粘液腫に対する完全減量切除術は予後の改善に寄与することが報告されている.しかし高侵襲な手技であり術後合併症の頻度が高い.今回,完全減量切除術の術後合併症に関わる因子を検討した.
[方法]2013年4月から2016年3月までに腹膜偽粘液腫の診断で完全減量切除術が施行された症例を対象とした.術後合併症はClavien-Dindo分類(CD)を用いて評価し,IIIa以上の合併症を呈した症例を合併症群,それ以外を非合併症群とし,患者背景,手術因子を比較した.
[結果]対象は55例で,合併症がなかった症例は15例(27%),CD I-IIは22例(40%),CD IIIa以上は18例(33%)であり,合併症群が18例,非合併症群が37例であった.CD IIIa以上の合併症は,腹部系合併症が12例(67%),呼吸器系合併症が3例(17%),心血管系合併症が4例(22%)であった.年齢,性別,原発巣の部位,Performance statusで両群に有意差は認めなかった.腹膜偽粘液腫に対し,完全減量切除術以前に腹部手術歴のある症例が,合併症群で13例(72%),非合併症群で18例(49%)であり(p = 0.098),合併症群で頻度が高い傾向があった.術前血清アルブミン値(g/dl)の中央値は合併症群で3.8(範囲2.4-5.0),非合併症群で3.9 (2.9-4.6)であった(p = 0.363).術前CRP値(mg/dl)の中央値は合併症群で0.55 (0.20-4.78),非合併症群で0.47 (0.03-5.35)であった(p = 0.619).術前CEA値(ng/ml)の中央値は合併症群で15.5 (1.7-518.7),非合併症群で14.1 (1.3-152.6)であった(p = 0.446).術中切除範囲で両群に有意差は認めなかった.
[結論]腹膜偽粘液腫に対する重症合併症は33%であった.腹部手術歴のある症例では術後に合併症の頻度が高くなる傾向が示唆された.
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