演題

病理学的stageⅢのS状結腸癌,Rs直腸癌の治療成績ーIMA切除とLCA温存の比較,リスク因子の検討

[演者] 風間 慶祐:1
[著者] 塩澤 学:1, 里吉 哲太:1, 渥美 陽介:1, 稲垣 大輔:1, 樋口 晃生:1, 村川 正明:1, 大島 貴:2, 森永 聡一郎:1, 益田 宗孝:2
1:神奈川県立がんセンター 消化器外科, 2:横浜市立大学附属病院 一般外科

【背景と目的】左側結腸癌・直腸癌に対する253領域リンパ節の郭清方法として,下腸間膜動脈(IMA)を根部で切除する方法と,左結腸動脈(LCA)を温存して郭清する方法とがある.両者の違いによる治療成績を比較検討した.また253領域郭清方法の違いも含め,左側結腸癌・直腸癌の再発リスク因子,予後規定因子を検討した.
【対象と方法】対象は2007年から2014年の間に,D3郭清を伴う根治切除術を施行したS状結腸癌・Rs直腸癌症例のうち,p-StageⅢであった99例.短期成績として, 郭清方法の違いによるClavien-Dindo Grade2以上の術後合併症割合を比較した.長期成績として, 郭清方法の違いによる5y-RFS及び5y-OSを比較した.またstageⅢS状結腸癌・Rs直腸癌の再発リスク因子,予後因子として,年齢,性別,BMI,術前CEA・CA19-9,腫瘍径,組織型,リンパ管・脈管侵襲の有無,術式(腹腔鏡/開腹),リンパ節郭清法(IMA根部切除/LCA温存),術後合併症の有無,術後補助化学療法施行の有無を検討した.
【結果】男性41例,女性58例,年齢中央値は66歳(range:36-87).IMA根部切除群(I群)は23例,LCA温存群(L群)は76例で,両群の患者背景に差有意差はなかった.
術後合併症発生割合はI群17.3%,L群17.1%であった.5y-RFSはI群81.1%,L群78.7%(P=0.85),5y-OSはI群83.7%,L群96.9%(P=0.079)であり,ともに両群で有意差を認めなかった.stageⅢのS,RS大腸癌の再発リスク因子として,単変量解析では性別と合併症有無が選択され,これらの因子による多変量解析では合併症有無が選択された(HR=5.227, P=0.043).同様に予後因子に関して,単変量解析では術式と合併症有無が,多変量解析では合併症有無が選択された(HR4.13, P=0.002).
【結語】stageⅢのS,Rs大腸癌における再発リスク因子.予後因子はともに術後合併症の有無であり,253リンパ節郭清の方法は,再発や予後に影響を及ぼさなかった.
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