演題

当院の大腸癌切除症例におけるSSI発生の検討

[演者] 川原 洋平:1
[著者] 名倉 慎人:1, 経田 淳:1, 角谷 直孝:1
1:富山労災病院 外科

〔目的〕SSI発生が比較的多いとされる大腸癌切除症例において,SSI発生の有無を調査し,SSI発生危険因子及び術後在院日数への影響に関し検討する.
〔方法〕当院で2015年4月1日から2016年10月31日までに,大腸癌に対し大腸切除術を施行された47症例を対象として,術後SSI発生の有無を調査し,術後SSI発生と術前因子(性別・年齢・占拠部位・TNM因子・病期),手術因子(術式・手術時間・術中出血量・術中輸血の有無)及び術後在院日数との相関を検討した.尚,治癒切除・非治癒切除,再建の有無に関わらず切除術を施行された症例を対象とし,他臓器同時または合併切除症例や人工肛門造設術のみの症例は除外した.
〔結果〕性別(例);男 23,女 24.年齢(歳);46-92(中央値 77歳) 3.占拠部位(例);虫垂 1, 盲腸 6, 上行結腸 7,横行結腸 7,下行結腸 2,S状結腸 14,Rs 3,Ra 5,Rb 2.深達度(例);Tis/T1/T2/T3/T4 5/13/5/14/10.リンパ節転移度(例);N0/N1/N2/N3 32/11/3/1.最終病期(例);0/Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ/Ⅳ 5/16/11/9/6.予定手術/緊急手術(例);44/3.開腹手術/腹腔鏡下手術;21/26(内,3例は開腹移行).術式(例);右側結腸切除 14,横行結腸切除 6,下行結腸切除 1,S状結腸切除 10,高位前方切除 5,低位前方切除 5,Hartmann術式 5,腹会陰式直腸切断 1.手術時間(分);110-350(中央値 220分).術中出血量(ml);20-700(中央値 100ml).術中輸血(例);有り 7,無し 40.術後在院日数(日);11-112(中央値 18日).47例中,5例(10.6%)に術後SSI発生を認め,その内訳は,表層SSI 1例(Grade2),臓器体腔 4例(縫合不全 3(Grade3 2例,Grade2 1例),遺残膿瘍 1(Grade3 1例))であった.SSI発生症例は男性に多く(p=0.0219),術中出血量が多い傾向にあった(p=0.0544)が,その他,占拠部位・腫瘍因子・術式・手術時間・輸血の有無との相関は認められなかった.また,SSI発生症例では術後在院日数は有意に延長した(p=0.0031).
〔結論〕大腸癌手術症例における術後SSI発生は男性症例に多く,術後SSI発生により術後在院日数が延長した.SSI発生予防のために,男性症例ではより注意深い感染対策が必要と考えられた.
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