演題

食道癌術後再発例の治療成績と術前化学療法レジメンの影響

[演者] 番場 竹生:1
[著者] 中川 悟:1, 上原 拓明:1, 會澤 雅樹:1, 松木 淳:1, 藪崎 裕:1, 丸山 聡:1, 野村 達也:1, 瀧井 康公:1, 土屋 嘉昭:1
1:新潟県立がんセンター新潟病院 消化器外科

【背景】切除可能なStage II,III食道癌では術前化学療法(以下NAC)後の手術が推奨されており,近年はNACとして標準のCF療法(CDDP/5FU)や,docetaxelを加えたDCF療法が行われている.しかし進行例の術後再発率は依然として高く,再発後の治療も重要な課題である.【対象】2000年から2016年4月までにStageⅡ以上の食道癌にてNAC後に肉眼的根治手術を施行した245例中,再発を認めた115例(46.9%)を対象として,再発状況と治療成績およびNACレジメンが再発治療に与える影響を後方視的に検討した.【結果】患者背景は男性100例,女性15例,再発時年齢の中央値67歳(46-79歳)であり,NACレジメンはCF療法(NAC-CF) 90例,DCF療法(NAC-DCF) 25例であった.手術から再発までの期間は中央値6か月(1-42か月).初回再発部位(重複あり)はリンパ節 78例,血行性転移 49例,局所 13例,胸膜播種 7例であり,32例(27.8%)は初回から複数臓器に再発を認めた.再発状況(再発までの期間,再発部位)に関してNACレジメンによる差は認めなかった.再発に対する初回治療は,全身化学療法 42例,化学放射線治療(以下CRT) 39例,放射線治療 14例,手術 9例,治療なし 9例,不明 2例であり,初回化学療法はタキサン系単剤 22例,DCF 療法10例,S-1療法 5例,CF療法 2例,ネダプラチン/ドセタキセル 1例,肝動注 1例であった.RECISTで評価可能な再発病変の最良治療効果でPR以上が得られた割合は,タキサン系単剤 10%,DCF療法 52%,CRT 73.5%であった.NAC-DCF症例は再発後の初回治療としてCRTを選択する割合が48%であり,NAC-CF例の30%に比較してやや高かった(P=0.098).全115例の再発後の生存期間中央値は11か月であり,術後再発までの期間(7か月以上 vs 6か月以下,P=0.022),初回再発の臓器数(単vs複,P<0.001),再発治療の最良効果(PR以上 vs 未満,P<0.001)で生存期間に有意差を認めたが,術前N因子,NACレジメン,NACの治療効果による比較では生存期間に有意差は認めなかった.【まとめ】NAC後再発症例においてNACレジメンの違いによる再発状況や予後の差は認めなかったが,NACとしてDCF療法を施行した症例では放射線治療を選択する割合がやや高く,化学療法の選択肢が少ないことを反映していると考えられた.再発症例の全身状態と再発状況およびNACレジメンを考慮して適切な再発治療を選択する必要がある.
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