演題

直腸切除術後縫合不全の早期内視鏡所見は一時的ストーマ閉鎖困難の予測に有用である

[演者] 田島 陽介:1
[著者] 亀山 仁史:1, 山田 沙季:1, 堀田 真之介:1, 岡村 拓磨:1, 中野 麻恵:1, 中野 雅人:1, 島田 能史:1, 小林 隆:1, 若井 俊文:1
1:新潟大学大学院 消化器・一般外科学

【背景】直腸切除術後の吻合部縫合不全は未だ完全に防止することはできない.縫合不全の予防,あるいは発症後の感染コントロールのためにしばしば一時的ストーマが造設される.しかし,縫合不全に続発する吻合部狭窄や瘻孔形成などによりストーマ閉鎖が困難となる症例をときに経験する.一方,縫合不全発症後早期の吻合部の内視鏡所見とストーマ閉鎖困難との関係について検討した報告は少ない.【目的】直腸切除術後の吻合部縫合不全の早期内視鏡所見と一時的ストーマ閉鎖困難との相関を明らかにする.【方法】2006年1月から2016年12月までに当科で再建を伴う直腸切除術を施行した385例のうち,縫合不全を発症し,かつ術後30日以内に吻合部の内視鏡観察を施行した39例を対象とした.内視鏡所見により吻合部全周に占める離開部の割合が1/4周以上の群(A群)と1/4周未満の群(B群)に分けて,一時的ストーマ保有率について比較検討した.【結果】A群が20例,B群が19例であった.一時的ストーマはA群で16例(80.0%),B群で11例(57.9%)に造設されていた.A群はB群と比較して吻合部狭窄が有意に多く(4例 vs. 1例,P = 0.011),また瘻孔形成が多い傾向にあった(2例 vs. 0例, P = 0.061).A群はB群と比較して1年一時的ストーマ保有率が有意に高かった(39.4% vs. 21.1%, P = 0.047)(図).ストーマ閉鎖が困難な理由は,吻合部狭窄5例,本人希望3例,瘻孔形成2例,他病死2例であった.【結論】再建を伴う直腸切除術において,縫合不全部の早期内視鏡所見はその後の一時的ストーマ閉鎖困難の予測に有用である.

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