演題

食道癌根治切除術後サーベイランスと再発治療の検討

[演者] 福田 俊:1
[著者] 岡 大嗣:1, 田中 洋一:1, 神尾 幸則:1, 野村 聡:1, 江原 一尚:1, 山田 達也:1, 川島 吉之:1, 坂本 裕彦:1
1:埼玉県立がんセンター 消化器外科

【はじめに】 当院では,食道癌根治切除術後の再発に対するサーベイランスを,3年間は3ヶ月ごとに,その後2年は6ヶ月ごとに,5年以後は症例に応じて8年から10年まで,CTおよびUSを主体に行ってきた.再発例に対しては,症例ごとに再発部位の切除,化学療法,放射線治療を選択している.近年では食道癌治療に関わるキャンサーボードを活用し,複数診療科で検討して治療方針の確認をしている.当院の再発治療について報告する.
【対象と方法】 術後3年以上の追跡を行った,2001年から2013年の13年間に,胸腔アプローチを伴う食道癌根治切除術543例を対象に,再発時期,形式,治療法,治療成績を検討した.
【結果】 症例は男性が480人,平均年齢は64.9歳であった.再発は220例(40.5%)に認め,再発症例のうち167例(76.8%)で初回再発形式は単独(リンパ節105,遠隔臓器53,播種8)であった.再発が確認されるまでの期間は289(41-3972)日(中央値)で,再発後の生存期間は306日であった.術後5年以上経過して再発が確認された症例は8例,8年以上で2例,10年以上で1例であった.再発後生存期間は初回単独形式再発症例が377日,複合形式再発症例が184日であった.
再発確認後3年以上の長期生存が得られた症例は26例(再発症例の11.7%)で,再発治療後無病長期生存は18例であった.長期生存例では再発までの期間は492(120-2221)日であった.長期生存症例中25例は単独形式再発でリンパ節のみが17例(頚部4,上縦隔4,下縦隔1,上縦隔および肺門2,腹部傍大動脈5),他臓器転移が8例(肺4,肝1,脳1,脾1,腹壁1)であった.複合形式再発の1例は肺と気管前リンパ節の再発であった.他臓器再発例では全例で切除されている.リンパ節再発症例のうち,頚部の3例は切除,胸部の6例は放射線治療,腹部の3例は化学療法が選択されていた.
【考察】当院における再発症例を検討した.再発までの期間は5年を超える症例もあり,うち2例は再発治療後の長期予後が得られている.8年を超える症例は1例のみであった.この結果をもとに,症例にもよるが8年程度の定期的な検査が好ましいと考えている.また,特に無再発期間の長い単独形式再発症例では再発治療後長期生存が得られる可能性がある.遠隔転移症例であっても,単発肺転移症例では切除で治癒が期待できる.
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