演題

大腸癌の発癌・癌進展におけるmicroRNA-449aの役割解明

[演者] 石川 大地:1
[著者] 良元 俊昭:1, 高須 千絵:1, 柏原 秀也:1, 東島 潤:1, 吉川 幸造:1, 島田 光生:1
1:徳島大学医学部 消化器・移植外科学

【背景】microRNA-449a(miR-449a)は肝細胞癌のTumor suppressorとして報告されているが,大腸癌における生物学的意義は不明である.今回,miR-449a発現低下が大腸癌の発癌・癌悪性度と密接に関与するという新たな知見を得たので報告する.
【方法】1) miR-449a欠損マウスによる発癌促進効果
miR-449a KOマウス(C57BL/6)とコントロールマウスに硫酸ナトリウムとアゾキシメタンを投与し大腸癌化学発癌モデルを作成し(n=4-8),18週目おける腫瘍個数,サイズ,深達度を比較検討した.またmiR-449a KOマウスとコントロールマウスの大腸粘膜mRNA発現につきDNAマイクロアレイにて網羅的解析を行った.
2) 大腸癌切除例におけるmiR-449a発現解析
大腸癌切除例(n=72)の癌部miR-449a発現をqPCR法にて測定し低発現群(n=36)と高発現群(n=36)に分け,臨床病理学的因子との関連を調べた.
【結果】1) miR-449a KOマウスはコントロール群に比較し腫瘍発生個数が多く(Fig.1:10.4 vs 5.4個),腫瘍径が大きく,SM以深の浸潤が多数であった(20.0 vs 37.5%).また,コントロール群におけるmiR-449aの発現局在は非癌部に比較し癌部で低発現であった.DNAマイクロアレイの結果,miR-449aノックアウトマウスの大腸では,K-ras発現が高く, MHL-1が低発現であることが確認された.2) 臨床検体を用いた検討では,miR-449a低発現群では高発現群に比較し,腫瘍径が大きい(47.3±21.7cm vs 36.9±18.7cm, p<0.05 ),深達度が深い(SS以深: 32/36 vs 20/36, p<0.05),脈管侵襲が高頻度(v: 25/36 vs 16/36, ly: 25/36 vs 11/36, p<0.05), CEA高値(CEA≧5: 16/36 vs 6/36),低分化度であった.予後に関しては全生存率,無再発生存ともにmiR-449a低発現群で有意に不良であった(Fig2: p<0.05).
【結論】miR-449a発現低下はKras,MLH-1を介して発癌,腫瘍進展に寄与し,予後予測因子となり得る.
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