演題

イレウスを契機に診断された小腸間膜デスモイド腫瘍の1例

[演者] 許 理威:1
[著者] 石川 倫啓:1, 辻 健志:1, 葛西 弘規:1, 羽田 力:1, 上泉 洋:1, 伊藤 浩二:1, 中島 保明:1
1:岩見沢市立総合病院 外科

【はじめに】小腸間膜原発デスモイド腫瘍は稀な疾患で,腹部腫瘤を主訴に発見されることが多く,特異的な画像所見なく,術前診断は困難である.今回,我々は,イレウスを契機に診断された小腸間膜デスモイド腫瘍の1例を経験したので報告する.【症例】83歳,女性.既往として61歳時,左乳癌にて左胸温存乳房切除術,65歳時,胃癌にて幽門側胃切除・B-Ⅱ再建術の手術歴あり.家族歴は特記すべき事項なし.嘔吐・腹痛を主訴に近医より当院消化器内科に紹介入院.腹部単純X線写真・腹部CT で著明な小腸拡張像が認められ,癒着性イレウスが疑われ,イレウス管挿入・絶飲食等の保存療法にて加療され,症状改善のため,イレウス管挿入後10日目でイレウス管を抜去された.しかし,食事再開の5日後に,再び,イレウス症状が出現し,イレウス管を再挿入され,手術適応にて当科に紹介転科となり,開腹術を施行.下腹正中切開にて開腹し,トライツ靭帯より約120cm 肛門側の小腸が腸間膜側に巻き込まれ,狭窄部を形成しており,同部位を含めて,小腸部分切除術を施行.病理組織学的に腸間膜脂肪組織内に線維組織の強い不規則な増生が認められ,免疫染色では,β-catenin が陽性を示し,小腸間膜デスモイドと診断された.術後経過良好で,術後9日目で退院となり,術後3か月を経過した現在,無再発生存中.【結語】イレウスの鑑別診断として,小腸間膜デスモイド腫瘍も念頭に置く必要がある.
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