演題

PET/CTにてFDGの集積を認めた小腸間膜腫瘍の2切除例

[演者] 合地 美香子:1
[著者] 稲垣 光裕:1, 近藤 享史:1, 大平 将史:1, 山田 健司:1, 舩越 徹:1, 柳田 尚之:1, 赤羽 弘充:1, 中野 詩朗:1, 佐藤 啓介:2
1:旭川厚生病院 外科, 2:旭川厚生病院 病理診断科

【はじめに】腸間膜原発の腫瘍は比較的稀な疾患で,手術した全腫瘍患者の約0.1%との報告がある.今回,小腸間膜原発のLeiomyomaとParagangliomaの切除例を経験したので報告する.
【症例1】57歳男性,検診USで腹部腫瘤の指摘あり.当院消化器科へ紹介受診した.触診で腫瘤は触れず,血中腫瘍マーカーは正常範囲(CEA 1.5 ng/ml,CA19-9 2.0 U/ml未満)で,高血圧・虫垂炎術後の既往があった.腹部造影CTでは,両側総腸骨動脈レベルに円形腫瘤(約4cm)あり,造影効果は強く一部嚢胞変性もしくは壊死を伴って低濃度を示し,境界は明瞭であった.FDG-PET/CTでは,腹部右側に腫瘤性病変にFDGの不均一な比較的淡い集積(SUV 3.7)を認めた.画像所見より,小腸由来GISTを疑い,切除の方針となった.下腹部正中切開し,回腸から約 5 cm離れた腸間膜内に腫瘍があり,腸間膜を扇型に処理して回腸とともに切除し,回腸を端端吻合した.腫瘍は大きさ5×6×5 cm,病理診断はLeiomyomaで,各種免疫染色で腫瘍細胞は,Vimentin[+],α-SMA[+],Desmin[+],S-100[-],CD34[-],c-kit[±],DOG-1[-],ki-67[+:5%]だった.術後9カ月目の腹部CTでは,腫瘍再発の所見は認めなかった.
【症例2】82歳女性,下痢および左側腹部痛を自覚し当院消化器科を受診した.腫瘍マーカーは正常範囲(CEA 1.0 ng/ml,CA19-9 2.0 U/ml)で,心房細動・高血圧・気管支喘息の既往があった.腹部造影CTでは,骨盤内正中付近に約2.5 cmの,やや不均一に造影効果を示す腫瘤状病変を認めた.PET/CTでは骨盤内に孤立性のFDG集積(SUV 4.2)を認めた.カプセル内視鏡・バルーン小腸内視鏡を施行したが,小腸病変は指摘できなかった.画像所見より小腸間膜腫瘍と診断し,切除の方針となった.下腹部正中切開し,回腸間膜内に腫瘤を触知した.周辺の回腸は切除せず間膜内腫瘍のみを切除した.腫瘍は大きさ3×4cm (12 g).病理診断はParagangliomaで,各種免疫染色ではS100・CD56・NSE・シナプトフィジン・クロモグラニンAが陽性だった.術後6カ月目の腹部CTで腫瘍再発の所見は認めなかった.
【結語】FDGの集積を認めた小腸間膜腫瘍の2切除例を経験したので,文献的考察を含めて報告する.
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