演題

嚢胞変性を来した小腸GISTを起点に小腸捻転を来した絞扼性イレウスの一切除例

[演者] 平島 忠寛:2
[著者] 柳田 茂寛:2, 衣裴 勝彦:2, 中馬 豊:2, 帆北 修一:2, 夏越 祥次:1
1:鹿児島大学病院 消化器外科, 2:今村病院 外科

【はじめに】
Gastrointestinal stromal tumor(GIST)は,カハール介在細胞を起源とする間葉系腫瘍である.発生部位は小腸が約20%で,胃の約70%に次いで多い.GISTに嚢胞形成を伴うことは稀ではないが,その多くが液化変性に伴う微小嚢胞を形成したものであり,嚢胞成分を主としたGISTは比較的稀である.今回,嚢胞変性を来した小腸GISTを起点に小腸捻転を来した絞扼性イレウスの一例を経験した.
【症例】
81歳男性,1か月前に腹痛を主訴に前医受診.腹部CTで骨盤内に8cm大の嚢胞性腫瘤病変を認め精査予定であった.今回,腹痛の増悪あり前医再受診.腹部CTで絞扼性イレウスと診断され当院へ救急搬入された.術前診断は嚢胞性腫瘤病変を軸にした捻転による絞扼性イレウスであった.緊急手術を施行し,骨盤部に小腸と連続する腫瘤病変を認め,腫瘤を基点に小腸捻転を来していた.腫瘤を含めた小腸切除を行い一期的吻合を行った.術後,麻痺性イレウスを呈したものの,その後の経過は問題なく術後22日に自宅退院となった.
病理所見は,嚢胞性腫瘤内腔は捻転のため表層から壁の中層まで出血壊死を呈しており嚢胞壁の一部は菲薄化していた.壊死に陥った表層部分から漿膜下層に至る紡錐形細胞の増殖を認め,菲薄化した壁の一部にもC-KIT陽性細胞を認め,全体が嚢胞変性を呈した小腸GISTであった.
【考察】
小腸GISTは腹痛・消化管出血などを初発症状として見つかることが多い.また壁外性に発育することが多いため通過障害はきたしにくいとされている.本症例は管外発育型のGISTを基点に捻転を起こし,絞扼性イレウスを呈していた.嚢胞形成を主体としたGISTは稀であり,腹腔内の嚢胞性腫瘤病変の鑑別診断に小腸のGISTも考慮することが必要である.今回,嚢胞変性を来したGISTによる絞扼性イレウスを経験したので報告した.
詳細検索