演題

術前小腸内視鏡の有用性に関する検討

[演者] 小島 正継:1,2
[著者] 油木 純一:1,2, 太田 裕之:1,2, 瀬戸山 博:1,2, 長谷川 正人:1,2, 辻川 知之:3,4, 目片 英治:1,2
1:東近江総合医療センター 外科, 2:滋賀医科大学総合外科学講座, 3:東近江総合医療センター 内科, 4:滋賀医科大学総合内科学講座

【目的】
バルーンを用いた小腸内視鏡の出現により,従来,観察が困難であった小腸内腔を直接観察することができるようになり,小腸病変において生検を含めた精査が可能となった.しかしながら,小腸内視鏡検査により得られる情報に関して,手術に際しての有用性については十分には検討されておらず,これを明らかにすることを目的とする.
【方法】
当院において2013年4月1日から2016年11月30日までに252件の小腸内視鏡検査が施行されていた.その結果,小腸に病変が疑われ,小腸切除を伴う手術を施行したのは8症例である.これらの症例において小腸内視鏡検査により得られた情報と,CTなど他のmodalityで得られた情報,手術所見などから,術前小腸内視鏡検査により得られた情報の手術における有用性を検討した.
【結果】
8症例の内訳は,メッケル憩室2件,小腸GIST2例,小腸癌1例,小腸平滑筋肉腫1例,転移性小腸腫瘍1例,クローン病1例であった.GISTの1例を除き,他の症例では小腸内視鏡で異常所見を認めた.メッケル憩室の2症例は出血性であり,メッケルシンチで描出可能であったが,小腸内視鏡により憩室の確認が得られたため,部位と診断の確定をした後に手術を施行し得た.腫瘍性病変の5例においては,GISTの2例を除き,術前に生検で診断を確定することができたため,術式の選択において小腸内視鏡が有用であった.GISTの1例は,他のModalityでは異常所見がなく,小腸内視鏡でのみ病変を検出でき,マーキングすることで,低侵襲な腹腔鏡手術で確実に病変切除が可能となった.
小腸内視鏡検査は,他のCT検査・カプセル内視鏡検査・シンチなどと相補的な役割を果たすことが多いが,一方で,小腸内視鏡検査でのみ病変を検出することができる症例もあり,術前検査において有用であると考えられた.
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