演題

腸閉塞で発症した小腸原発の脂肪肉腫の1例

[演者] 玉川 慎二郎:1
[著者] 黒田 暢一:1, 山﨑 純也:1, 西野 雅之:1, 大原 重保:1, 宇多 優吾:1, 濵田 哲弘:1, 児島 正道:1
1:宝塚市立病院 外科

【はじめに】脂肪肉腫は大腿,後腹膜に発症することが多く,腹腔内に発生する頻度は少ない.また腹腔内に発症した場合でも腸間膜由来がほとんどであり,小腸原発は非常に稀である.今回小腸原発の脂肪肉腫を経験したので若干の文献的考察とともに報告する.【症例】78歳女性,下痢と嘔吐が2日続きその後食欲もなくなったため救急受診された.CTにて腹部に巨大な腫瘍と小腸絞扼による腸閉塞を認めた.腫瘍は大きく原発は不明で後腹膜脂肪肉腫に絞扼性イレウスが偶然発症したものと判断した.腫瘍はSMVとも接しており,緊急手術は絞扼の解除のみを行い,後腹膜脂肪肉腫と考えた腫瘍は後日予定手術にて摘出する方針とした.【手術】下腹部小切開し腹腔内を観察すると,下腹部に暗赤色の腫瘍を認めた.また小腸は腸間膜対側で腫瘍と索状の癒着しており,癒着部を中心に捻転した形状腸閉塞を引き起こしていた.癒着が索状であり絞扼物と考え,これを切離し絞扼を解除したところ小腸に小孔があいた.この時点で小腸原発と考え,用手的に腫瘍を牽引すると腫瘍は腹腔内で可動性があった.切開を臍上まで延長したところで腫瘍はそのまま摘出された.小腸は腫瘍付着部より口側肛門側それぞれ5㎝で切離し機能的端端吻合を行った.手術時間120分,出血量200ml であった.【術後経過】合併症なく経過し,術後3日排便を認め食事を開始,術後13日経過良好で退院した.【考察】小腸原発の脂肪肉腫は医中誌1で検索する限り,本邦での報告は2例であった.非常にまれな疾患であり,術後の放射線療法,化学療法に対する治療方針は定まっていない.術後の治療方針について文献的考察を交えて報告する.
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