演題

回腸に発生したpyogenic granulomaの一手術例

[演者] 矢部 早希子:1
[著者] 土方 浩平:1, 山本 瑛佑:1, 小林 建太:1, 増田 大機:1, 杉本 斉:1, 星野 真由美:1, 後藤 博志:1, 輿石 晴也:1, 吉村 哲規:1
1:東京都立大塚病院 外科

pyogenic granulomaは皮膚および粘膜の結合織に由来する隆起性肉芽腫性病変で,皮膚・口腔に好発するが,消化管での発生は稀である.今回我々は下腹部痛, 下痢, 体重減少をきたし, 手術で確定診断に至った回腸pyogenic granulomaの一例を経験した.
症例は49歳女性.下腹部痛と下痢を主訴に前医受診し, 過敏性腸症候群が疑われ経過をみられていたが, 3ヶ月で9kgの体重減少を認めた.前医の下部内視鏡では異常所見を認めなかった.その後の腹部CTで下部回腸に炎症性腫瘤を認め, 精査加療目的に当院を受診した.MRIでも骨盤内の下部回腸と考えられる部位に不整形腫瘤を認めており, 骨盤内腫瘤の術前診断で診断的腹腔鏡検査の方針とした.手術所見では, 回腸末端から20cm口側の回腸に漿膜面の炎症と腸間膜の発赤肥厚認めた.同部位を含めた全長約40cmの腹腔鏡下小腸部分切除を行った.手術検体の病理組織診断はpyogenic granulomaであった.術後経過は良好で,術後10日目に退院となった.
pyogenic granulomaの消化管での発生は稀であり, 慢性刺激や粘膜障害, 腸炎, 潰瘍などがリスクとして挙げられているが,それらの因果関係は不明である.特に小腸発生例では術前診断が困難であり,診断を兼ねた切除も検討されるべきとされている.また,不完全切除の場合には再発や遺残病変が増大するとされており,大量腸切除を要することもある.回腸に発生したpyogenic granulomaの一手術例を経験したため,若干の文献的考察を加えて報告する.
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