演題

導入DCF療法施行進行食道癌の術後再発予測と3剤併用CRTによる再発治療の有用性

[演者] 中島 政信:1
[著者] 室井 大人:1, 菊池 真維子:1, 高橋 雅一:1, 倉山 英豪:1, 井原 啓佑:1, 志田 陽介:1, 山口 悟:1, 佐々木 欣郎:1, 加藤 広行:1
1:獨協医科大学医学部 第一外科学

【背景】当科ではcStageII,IIIおよび切除可能境界領域の食道癌に対して,DCFによる導入化学療法を行っている.DCF療法は奏効例が多いが,術後の早期再発も認められる.導入DCF療法症例における術後早期の再発予測因子を解析し,更に術後再発に対するCRTの成績等について検討した.
【対象と方法】①導入DCF症例の術後再発予測:導入DCF療法後の手術症例49例を対象とし,1年以内の再発および2年以内の死亡に影響する因子を検討した.②再発に対するCRT:食道癌根治術施行253例のうち遺残再発を83例に認めた.このうち再発に対してCRTを施行した30例の治療成績を解析し,長期生存の予測因子についても検討した.
【結果】①StageはIIA:8例,IIB:1例,IIIA:12例,IIIB:14例,IIIC:14例であった.1年以内の再発を19例に認め,これに関係する因子はN2以上のリンパ節転移,Stage IIIB以上の進行度であった(p<0.05).2年以内の死亡は12例で,N2以上,Stage IIIB以上,導入DCF療法後のFDG-PETのSUVが有意な因子であった(p<0.05).多変量解析ではStage IIIB以上が独立した予後不良因子であった.②リンパ行性再発が24例,血行性再発が2例,局所再発が1例,複数の再発形式が3例であった.再発に対して化学療法を施行した症例と比較して有意にリンパ行性再発が多かった(p<0.05).CRT後のMSTは614日であり,化学療法施行例の治療後MST(197)日に対して有意に良好であった(p<0.05).CRT後に2年以上の生存が得られた13名を長期生存(L)群,残りの17名を短期生存(S)群として検討したところ,L群では術前に導入化学療法を施行していない患者が多い傾向にあった(N.S.).また,手術から再発までの期間および手術からCRT開始までの期間の検討では,いずれもL群で期間が長い傾向にあった(N.S.).再発形式による検討でも有意差を認めなかった.CRTの併用化学療法ではL群で有意に3剤を使用しているものが多く,S群では2剤以下が多かった(p<0.05).FDG-PETの検討では,L群でCRT後のSUVが低い傾向にあり,CRT前後のSUV減少率がL群で有意に高値であった(p<0.05).
【結語】導入DCF療法後に手術を施行した患者の術後再発にはStage IIIB以上の進行度が関係する.再発治療には積極的に3剤併用CRTを考慮することで治療成績を向上できる可能性がある.また化学療法およびCRT前後にFDG-PETを行うことで,再発や治療効果予測の一助になるものと思われる.
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