演題

当院での原発性小腸癌10例の臨床経験

[演者] 赤澤 直也:1
[著者] 岡田 恭穂:1, 須田 睦:1, 則内 友博:1, 小林 実:1, 矢澤 貴:1, 柿田 徹也:1, 及川 昌也:1, 本多 博:1, 土屋 誉:1
1:仙台市医療センター仙台オープン病院 消化器外科・一般外科

原発性小腸癌は全消化管悪性腫瘍の内0.1%~1.0%の発生頻度とされ非常にまれな疾患である.また,発生部位的特徴からも早期発見が困難であり,消化管出血,腸閉塞などの症状を契機に発見され,発見時には進行例が多いとされている.本邦においては小腸癌に対するガイドランはなく手術術式や標準的な化学療法の確立もされていない.
今回当施設で経験した小腸癌10例(空腸癌7例,回腸癌3例)の臨床所見,病理学的所見の検討を行った.平均年齢は62.6歳(40歳~89歳)で,男女比は6:4であった.主訴は腹痛が2例で腸閉塞症状が4例,食思不振や倦怠感が4例.全例において腫瘍の局在は術前に同定できたが,組織学的に確定診断できたものは4例であった.空腸癌の7例はTreitz靭帯から肛門側2~70cmに存在し,回腸癌2例はBauhin弁から口側10cm以内に存在していた(回腸癌のうち1例は右結腸切除術の既往あり,吻合部から口側5cmに認めた).肉眼的根治切除が可能であった症例は1例のみで,壁深達度はSSが2例,SEが4例,SI4例,手術時点での遠隔転移は腹膜播種が5例,肝転移を1例に認めた.組織型は高分化腺癌が2例,中分化腺癌が6例,粘液癌が2例であった.化学療法はマイトマイシンC+5-FUが1例,5-FU+CDDPが2例,FOLFOX療法が1例,IRIS療法が1例に行われているが,追跡可能であった症例で無再発生存例は1例も認められていない.原発性小腸癌の予後は不良であると報告されており,当施設で経験した10例も同様の結果となるが,長期に化学療法を施行し病勢コントロールを得た症例もあり,若干の文献的考察を加え発表する.
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