演題

再発巣切除とmFOLFOX6を繰り返し長期生存が得られている原発性空腸腺癌の一例

[演者] 真貝 竜史:1
[著者] 伊藤 善郎:1, 野間 俊樹:1, 松永 寛紀:1, 宮垣 博道:1, 西田 久史:1, 豊田 泰弘:1, 高山 治:1, 福﨑 孝幸:1, 大東 弘明:1
1:済生会千里病院 外科

【背景】
小腸腺癌は,治癒切除可能であった症例もその大半が遠隔転移によって再発する予後不良な疾患群と考えられている.切除不能・再発症例に関しては参考となる前向き試験や遡及的研究の報告もあるが,現時点で本邦での標準治療は確立されていない.長期生存が得られている症例を報告する.
【症例】
50代女性.2009年6月より嘔気下痢出現.7月腸閉塞にて入院.造影CTで空腸に濃染される長径25mm程の腫瘤を認めたため,同月空腸部分切除術施行.CEA1.4ng/mL, CA19-9 34U/mL.tub2>tub1, pT4, sci, INFb, ly1, v1, N1(1/7),M0 pStage IIIA(UICC-TMN分類第7版,小腸腫瘍).術後半年Capecitabine内服.2011年7月CA19-9 58U/mLと高値,以降227U/mLへ上昇.FDG-PETにて右卵巣にFDG集積を認め,同年12月子宮全摘術および両側付属機摘出術施行.腹腔内洗浄診Class V ,病理診で空腸癌転移.術中播種病変を認めず,補助化学療法施行せず.術直後CA19-9は正常化,4ヶ月後再上昇.FDG-PETで腹膜再発と診断し,2012年7月からmFOLFOX6導入となった.2ヶ月後よりマーカー正常化が半年継続し,好中球減少遷延が継続していたため,一旦休薬.2013年12月のフォローCTで左外腸骨リンパ節再発,FDG-PETで骨盤腔内集積を認め,mFOLFOX6再導入.短期PRを得たが,投与間隔を調整することで継続可能だったため2014年12月まで長期投与継続.半年間休薬したところ,再度CA19-9上昇,骨盤腔内FDG-PET集積増強で2015年7月再導入(好中球減少でbolus FU除く)となった.2016年4月のFDG-PETで骨盤腔内とS状結腸集積あり,大腸内視鏡検査でAV30cmにType1腺癌病変を確認するとともに,子宮頚部細胞診でClass V (腺癌疑).S状結腸切除術(D2郭清)に続き,拡大子宮頚部全摘術施行した.S状結腸病理診はtub2>tub1, pT4a(SE), int, INFb, ly2 vx, PN1a, pN2(9/19).播種病変の浸潤が大腸癌原発のようにみえているとも解釈できる状態であったが,原発・転移の区別は困難とされ,現在化学療法再導入としている.
【まとめ】①原発切除後7年,再発巣切除開始後5年経過後長期生存を得ている空腸腺癌症例を報告した.②CA19-9が鋭敏な再発マーカーとして機能した.③画像検査はPET-CTが有用であった.④化学療法休薬を契機に再発を繰り返した.⑤今後病状によっては大腸癌治療に対する分子標的薬の適用についても検討の一つと考える.
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