演題

外科的切除を施した小腸腫瘍22例の検討

[演者] 小久保 翔志:1
[著者] 大沼 忍:1, 唐澤 秀明:1, 渡辺 和宏:1, 阿部 友哉:1, 長尾 宗紀:1, 武者 宏昭:1, 元井 冬彦:1, 内藤 剛:1, 海野 倫明:1
1:東北大学大学院 消化器外科学

【背景】小腸腫瘍は初期臨床症状に乏しく診断時には進行していることが多い.
【目的】当院で経験した小腸腫瘍外科切除例の臨床的病理学的特徴を明らかとする.
【対象と方法】2008年から2016年の9年間,東北大学病院で切除された小腸腫瘍22例(男性:13例・女性:9例,年齢中央値:60.5歳)について臨床病理学的検討を行った.
【結果】症状は,有症状16例(73%)(腸閉塞:7例,消化管出血:5例,腹痛:2例,穿孔:2例),無症状が6例(27%)であった.診断法は,超音波・CT・MRIで腫瘤を指摘された症例が14例(64%),下部内視鏡・小腸内視鏡下・カプセル内視鏡で診断されたものが5例(23%),手術中に偶発的に発見されたものが3例(13%)であった.術式の内訳は,小腸部分切除術が20例(うち腹腔鏡手術4例),回盲部切除術が2例(うち腹腔鏡手術1例)であった.病理組織学的な内訳は,悪性が20例(90%),良性が2例(10%).悪性は原発性小腸癌:7例,悪性リンパ腫:6例(B細胞性4例,T細胞性:2例),GIST:4例,転移性小腸腫瘍:3例であった.良性は異所性膵:2例であった.原発性小腸癌の病期(TNM7th)は,Stage IIが3例,Stage IIIが1例,Stage IVが3例と,進行例を多く認めた.Stage II:3例のうち,2例は術後補助化学療法を実施,そのうち1例は経過中に播種が確認され長期投与となっているが現在もSDで経過(42か月),残り1例は半年間の補助化学療法後,再発なく経過している(21か月).Stage IIIの症例は術後化学療法施行も再発し,術後3年で死亡した.Stage IV:3例のうち,1例は緩和医療に移行(2か月で死亡),2例は術後化学療法を実施するも術後25か月・23か月で死亡した.悪性リンパ腫の病期(Ann Arbor分類)はStage II・IIIが4例(4例ともB細胞性),Stage IVが2例(2例ともT細胞性)であった.B細胞性悪性リンパ腫の4例のうち2例は術後化学療法を施行し,寛解維持が得られている(69か月と26か月).T細胞性悪性リンパ腫の2例は術後化学療法導入も数か月で死亡した.
【結語】外科切除を施行した小腸腫瘍22例を検討した.有症状は7割と多いが術前に確定診断を得たものが2割と少なく,術前診断の困難性が示唆された.また,小腸癌や悪性リンパ腫などの悪性疾患では進行例が多く,治療成績の改善には早期発見への取り組みが重要と考えられた.
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