演題

小腸腫瘍12例の臨床病理検討

[演者] 福島 尚子:1
[著者] 青木 寛明:1, 原 圭吾:1, 江藤 誠一郎:1, 石山 守:1, 長谷川 拓男:1, 小川 匡市:1, 河野 修三:1, 吉田 和彦:1, 矢永 勝彦:2
1:東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 外科, 2:東京慈恵会医科大学附属病院 消化管外科

【序論】
小腸腫瘍は比較的稀な疾患であり,全消化管悪性腫瘍の0.3~1%とされる.組織型としてはGIST,小腸癌,悪性リンパ腫等が鑑別に上がる.今回我々は当院で手術を施行した小腸腫瘍の臨床像について比較検討を行った.
【対象及び方法】
2007年6月から2016年10月までに当院で小腸腫瘍に対して手術を施行した症例を対象に年齢,男女比,初診時の症状,施行術式,病理診断をretrospectiveに検討した.
【結果】
対象症例は12例で,男女比=5:7,平均年齢は男59.4±16.0歳,女67.4±14.3歳であった.発見の契機となった症状は無症候1例,有症候11例で,症候の内訳は,腹痛6例,腸閉塞2例,腹部腫瘤触知2例,貧血1例であった.術後病理診断はGIST6例,転移性小腸腫瘍2例(肺癌転移1例,食道癌転移1例),小腸癌2例,腸管症型T細胞リンパ腫1例,神経鞘腫1例であった.2例は消化管穿孔による穿孔性腹膜炎で,1例は腫瘍破裂による腹腔内出血で緊急手術を施行した.同時期の当院での穿孔性腹膜炎は224例であり,小腸腫瘍穿孔による穿孔性腹膜炎は0.9%であった.術式は開腹小腸部分切除9例,腹腔鏡下小腸部分切除2例,回盲部切除1例であった.腫瘍の存在部位は空腸6例,回腸4例,不詳2例であった.全症例で重篤な合併症無く独歩退院した.退院後3例が死亡しており,死因は2例が原病死(食道癌,肺癌),1例は他病死であった.
【結語】
小腸腫瘍は稀な疾患ではあるが,腸閉塞や穿孔性腹膜炎の原因となり得る疾患であり,腹痛や下血時に鑑別疾患として念頭におくべきと考えられた.
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