演題

術中ICG蛍光法を用いたNavigation Surgeryにより術式変更に至った左側大腸癌の3例

[演者] 瀬戸山 徹郎:1
[著者] 奥村 浩:1, 樋渡 清司:1, 南 幸次:1, 南曲 康多:1, 和田 真澄:1, 下之薗 将貴:1, 有留 邦明:1, 前之原 茂穂:1, 夏越 祥次:2
1:JA鹿児島厚生連病院 外科, 2:鹿児島大学大学院 消化器・乳腺甲状腺外科学

【目的】当科では近年大腸手術中に吻合部血流評価のためにICG蛍光法によるNavigation Surgeryを行っている.
腸管切離時の腸管血流評価は,従来は主に肉眼的な色調,辺縁動脈の拍動触知など主観的評価を行ってきたが,ICG蛍光法では,real timeに客観的に評価可能で,安心して腸管吻合が可能である.
今回,同法により術式変更に至った左側大腸癌3例を経験したので報告する.

【対象と方法】2015年4月より2016年10月までにICG蛍光法を行った大腸手術症例54例中,同法で吻合予定腸管の血流評価で血流不良と判断された3例が対象.
方法は,肉眼的に吻合予定腸管部位を決定後,腸間膜血管処理を行い,ICG蛍光法により,同部の蛍光状態を評価した.
【結果】
症例1)
47歳,女性.BMI 21.1,ASA1.Rs直腸癌で腹腔鏡下高位前方切除術を施行.術中腹膜播種を認めたが,亜閉塞性で,原発巣切除を施行.IMAはLCA分岐後に切離.体外操作で口側吻合予定腸管の位置を決定後,腸間膜切離し,ICG蛍光法を行い15秒で染色され,環状縫合器のアンビル装着.その後,腹腔鏡操作を行い,DST吻合の段階で,肉眼的に色調不良が観察された.再度体外でICG法施行し,90秒経過後も染まらず血流不良と判断.染色良好の5cm口側で再度間膜処理し,ICG法で28秒で,再度アンビル装着し,DST吻合し術後問題なし.
症例2)
65歳,女性.BMI 18.2 ,ASA 2.術前合併症で冠攣縮性狭心症(右冠動脈ステント後)あり.閉塞性S状結腸癌でステント挿入後に腹腔鏡下高位前方切除術を施行.IMAは根部切離.体外操作で口側吻合予定腸管の位置を決定後,腸間膜切離し,ICG蛍光法を行うと65秒で染色され,血流不良と判断.染色良好な8cm口側で再度間膜処理し,ICG法で44秒で,同部位でアンビル装着し,DST吻合し術後問題なし.
症例3)
70歳,男性.BMI 19.5 ,ASA1.S状結腸癌で腹腔鏡下高位前方切除術を施行.IMAは根部切離.体外操作で口側吻合予定腸管の位置を決定後,腸間膜切離し,ICG蛍光法を施行.52秒で染色され,血流不良と判断し,染色良好な8cm口側で再度間膜処理し,ICG法で28秒.同部位でアンビル装着し,DST施行し術後問題なし.
【考察】
これまでの54例の集計では,ICG投与から腸管蛍光までの時間(中央値)は24.5秒 (15-65秒)であった.上記3例においては明らかに延長しており,切離部位を変更した.
同法により縫合不全を回避できた可能性が示唆された.
詳細検索